米Microsoftは、プログラミング言語TypeScriptの最新ベータ版となる「TypeScript 5.1 Beta」を4月18日(現地時間)に公開した。
「TypeScript 5.1」では、undefinedを返す関数がreturnステートメントを持たないようになるとともに、関数にreturn式がなく、undefinedを返す関数を期待するものに渡されている場合は、その関数の戻り値の型をundefinedと推論するようになっている。
また、明示的な型注釈があれば、getとsetのアクセサプロパティに完全に無関係な型を使用できるようになったほか、JSX要素とJSXタグ型を分離して型チェックすることが可能になるとともに、JSXでの名前空間属性名のサポート、指定されたモジュールルックアップでパスが解決できない場合に、typeRootsの指定に基づいてパッケージを解決するようになった。
ほかにも、JSXタグ名のリンク編集がサポートされ、同時に複数の場所を自動的に編集可能になるとともに、@paramタグにおけるスニペット補完、不要な型のインスタンス化の回避、ユニオンリテラルのネガティブケースチェック、JSDoc解析のためのスキャナへの呼び出しの削減といった機能追加・改善が行われている。
なお、「TypeScript 5.1」では、ECMAScript 2020で導入されたJavaScript機能が含まれるようになったことから、TypeScriptをNode.js 14.17以降で実行することが求められる。
また、typeRootsにおいてtsconfig.jsonで指定されたディレクトリの解決に失敗した場合、これまでは親ディレクトリをたどって各親のnode_modules/@typesフォルダ内のパッケージを解決しようとしていが、過剰なルックアップを引き起こす可能性があることから、「TypeScript 5.1」では無効になった。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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