米Deno Landは、V8 JavaScriptエンジンとRust言語を使用したJavaScript/TypeScriptランタイム「Deno」の新版「Deno 1.34」を5月25日(現地時間)に公開した。DenoはMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
Deno 1.34ではまず、「deno compile」コマンドがnpmパッケージに対応した。deno compileコマンドは、開発したコードを実行可能な単一のバイナリファイルに変換する機能を持っているが、1.34から、任意のnpmパッケージもまとめたバイナリファイルを生成できるようになった。deno compileコマンドで、バイナリファイルを生成することで、依存関係にあるファイルやDenoランタイムを用意することなく、開発したプログラムを実行でき、プログラムの起動にかかる時間も短くなる。npmパッケージに対応することで、npmパッケージを使用するプログラムの起動時間短縮を狙える。
そして、設定ファイルである「deno.json」で、ワイルドカード(グロブ)を使ってファイル名やパスを指定できるようになった。今回のアップデートで、「*」(文字数を限定しない任意の文字列)、「?」(任意の1文字)、「**」(任意のディレクトリ名)の3種類のワイルドカードを使用できるようになった。
さらに、IPアドレスを指定するTLS証明書を使用できるようになった。IPアドレスを指定するTLS証明書は、KubernetesのPodを使う場合や、DNS over HTTPS/TLSを利用した名前解決などで必要になる。
そのほかにも設定ファイルの改良や、APIの変更が加わっているほか、今回のバージョンからV8 JavaScriptエンジンのバージョンが11.5になり、TypeScript 5.0.4に対応するようになった。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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