Microsoft、Azure OpenAI Serviceに自社データを取り込んで活用できる機能をプレビュー提供

　米Microsoftは、ChatGPTやGPT-4といったOpenAIモデルのパワーを、自社のデータで活用できる「Azure OpenAI Service On Your Data」のプレビュー提供を、6月19日（現地時間）に開始した。

　Azure OpenAI Service On Your Dataは、さまざまな業界のビジネスに対応する、幅広いアプリケーションを提供し、セルフサービスのデータ要求をはじめ、顧客サービスの強化、収益創出の促進、B2CおよびB2Bのやり取りにおける生産性の向上などを可能にしている。

　さらに、文書の取り込みやインデックス作成といったプロセスを簡素化し、法的洞察や財務データへの迅速なアクセスを提供することによって、より適切な意思決定ができるほか、正確なマーケティング応答のためのリソースの活用、ソフトウェア開発と人事手順の合理化を実現する。また、顧客の貴重な洞察を収集するとともに、データへのアクセスを収益化して、業界や競合他社についての深い洞察を得られる。

　複数のソースへの接続をサポートしており、Azure Cognitive Searchインデックスに接続して、OpenAIモデルとのシームレスな統合を可能にするほか、Azure OpenAI Serviceを使用した分析や会話のために、データをAzure Blobストレージコンテナに接続できる。ほかにも、Azure AIポータル内のファイルに接続して、データを取り込むとともにAzure Cognitive Searchインデックスへ分割することが可能となっている。なお、対応するファイル形式はtxt、md、html、Wordファイル、PowerPoint、PDFなど。

　あわせて、チャットプレイグラウンドとデプロイオプションで構成される、「Azure AI Studio」も用意され、チャットプレイグラウンドはプロンプトに基づいて実験、反復、補完を生成できるノーコード環境として使いやすいインターフェースを提供するとともに、生成結果を自社のアプリケーションに統合するための、PythonおよびCurlコードサンプルの出力が可能となっている。

　デプロイオプションでは、Webアプリケーションを直接デプロイして、組織内でアクセスできる会話型AIプラットフォームの作成が可能で、シームレスなデプロイプロセスによって、作成するWebアプリケーションの名前、サブスクリプション、リソースグループ、場所、価格プランを選べる。作成されるWebアプリケーションは、ユーザーによるカスタマイズにも対応し、APIとエンドポイントを使用することで、自社のアプリケーションやサービスに統合できる。

　なお、Azure OpenAI Service On Your Dataの利用を開始するには、承認されたAzure OpenAI Serviceアプリケーションと、gpt-35-turboモデルまたはgpt-4モデルのどちらかがデプロイされたAzure OpenAI Serviceリソースが必要となる。