米Ovenは、JavaScriptCoreエンジンを利用してZig言語で開発したJavaScript/TypeScriptランタイム「Bun」の最新版となる「バージョン0.8.0」を8月24日(現地時間)に公開した。BunはMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
バージョン0.8.0ではまず、デバッグ用ツールに対応した。「--inspect」フラグを付けてプログラムをを実行すると、そのコンピュータでHTTPサーバーとWebSocketsサーバーが起動し、その時点で未使用のポートを使って通信を始める。このときWebSocketsサーバーは、WebKitの「Inspector Protocol」に対応したデバッグ用ツールと通信するようになる。
このとき、HTTPサーバーと共に、Bun専用のデバッグ・ツールが動作する。このデバッグ・ツールはWebブラウザ「Safari」のDeveloper Toolsを簡素化したものだという。このデバッグ・ツールを使うと、ブレークポイントを設定した状態でコードを動作させながらデバッグすることができ、ブレークポイントでは、その時点でスコープに入っている変数の中身やBunのAPIを確認しながら、コードのステップ実行が可能になる。
そして、HTTP通信で単一のファイルを小分けにしたいくつもの塊で受け取って少しずつ処理するストリーム通信に対応した。この機能は例えばOpenAIのAPIなど、反応をすべて返すのに時間がかかるAPIを利用するときに便利に活用できるという。
また、今回の新版からWebフレームワーク「SvelteKit」に対応したほか、「Nuxt」の開発用HTTPサーバーでBunを利用できるようになるなど、数多くの改良が加わっている。またOvenは、Bunのバージョン1.0を9月7日に公開することも明らかにしている。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です