IDC、国内AIインフラ市場予測を発表　2023年の市場支出額は前年比46.1％増

　IDC Japanは3月7日、国内AIインフラ（サーバー／ストレージ）市場予測を発表した。

　国内AIインフラ市場は、AIサーバーとAIストレージで構成される。「AIプラットフォーム」「AIアプリケーション」「AI対応の従来型アプリケーション」などを1つ以上実行するサーバや外付型ストレージシステムを対象としている。

　同社によると、2023年の国内AIインフラ市場の支出額は、前年比46.1％増の1094億8900万円と見込まれている。2022年～2027年における支出額の年間平均成長率は16.6％、2027年の支出額は1615億5000万円に達する見通し。

国内AIインフラ（サーバー／ストレージ）市場 支出額予測、2022年～2027年

　2023年は生成AIへの関心が急速に高まり、サービスプロバイダーを中心にAIインフラへの投資が活発化した。その結果、国内AIインフラ市場は1000億円を超える規模に急成長した。

　2024年以降も、AIインフラに対する投資意欲は引き続き高まるとみられている。「AI Everywhere（どこでもAI）」のコンセプトに基づき、AIの活用範囲はさらに広がるだろう。画像や動画の生成などにおけるマルチモーダル化の進展に伴い、AI向けのコンピューティングおよびストレージリソースの需要がさらに高まる見通し。

　製品カテゴリー別ではAIサーバーが成長をけん引するとされている。デプロイメント別では、クラウド向けAIインフラが成長セグメントとなる。パブリッククラウドで提供されるAIサービスやAIワークロードに最適化されたIaaS（Infrastructure as a Service）への需要が高まり、AIインフラに対する支出も高水準で継続する。また、プライベートクラウドにおいても、基盤モデルのファインチューニングや推論などで、AIインフラに対する需要が高まる見込み。

　さらに、アクセラレーテッドAIサーバーの支出額も予測された。アクセラレーテッドAIサーバーの2022年～2027年の年間平均成長率は41.7％で、国内AIサーバー市場におけるアクセラレーテッドAIサーバーの構成比は、26.9％（2023年）、35.4％（2027年）に上昇すると予測されている。ディープラーニングのワークロード向けのインフラとして、需要が高まっており、特にパブリッククラウドサービスのインフラ向けの支出が拡大している。AIワークロード向け以外も含む国内アクセラレーテッドサーバー市場では、アクセラレーテッドAIサーバーの構成比は、41.6％（2023年）、49.8％（2027年）に上昇すると予測されている。