まずはクラウドネイティブ開発のノウハウ習得が最優先
北村氏は、Developer Hubを「プラットフォームエンジニアリングチームのノウハウの集大成を展開するためのツール」だと称する。プラットフォームエンジニアリングのメリットを開発者に届け、運用することにおいては強力な手段になる。しかし「Golden Pathの具体的な中身を作るためのノウハウやその習得には残念ながら向いていない」と補足した。
そのため、Developer Hubのようなポータルを準備する前に「クラウドネイティブ環境における開発や運用のノウハウの習得に、まず全力を注ぐことが最重要」だと北村氏は言う。
まずはKubernetesやOpenShiftといったクラウドネイティブ開発運用と親和性の高いプラットフォームを採用して各機能を学習し、単一クラスターの運用業務を定義する。その後、開発組織の規模やインフラが拡大したら、Platform Engineeringの思想を取り入れ、経験から得た開発のプラクティスをGolden Pathとして定義して展開するのが望ましい。
「この営みを続けることで、人材・プロセス・技術といった3つの観点でチームの成熟度が高まり、最終的にビジネスの価値につながる」と北村氏。そのために、クラウドネイティブ時代のプラットフォームには従来のインフラ基盤からの変革が求められる。
最後に北村氏は「Better Practice, NOT Best Practice」というメッセージを紹介。開発者の要望や世の中のトレンドを踏まえて継続的にプラットフォームを改善し、ベタープラクティスを追求していくことが重要だと強調した。