ベルギーEclipse Foundationは、統合開発環境「Theia IDE」の正式版を6月27日(現地時間)に公開した。Theia(シーア) IDEは、Eclipse Public License 2.0とGNU General Public License 2.0とMIT Licenseで公開しているオープンソースソフトウェア。
Theia IDEは、統合開発環境の開発に向けたソフトウェア部品集である「Theia Platform」を利用したソフトウェア。Theia Platformは、2017年3月から開発が始まり、2018年5月からEclipse Foundationが管理しているもので、Visual Studio Codeと同じように、主にTypeScriptとCSSで記述してある。Theia IDEは、Theia Platformを使って作り上げた統合開発環境に、Electronを組み合わせて、デスクトップで動作するようにしたものと言える。
基本的に備えている機能もVisual Studio Codeに似通っており、Language Server Protocolに対応することで、コード補完などの機能を実装しやすくしているほか、Debug Adapter Protocolに対応することで、統合開発環境と外部デバッガとの連携を図っている。プラグイン開発に向けたAPIも、Visual Studio Codeと互換性を持たせており、Visual Studio Code向けに開発したプラグインのほとんどはTheia Platformでも動作する。ほかにも、Visual Studio Codeから流用できる機能は、ほぼそのまま取り入れているという。
Theia Platformの応用例としては、Armのワンボードマイコン「Mbed」向けの開発環境である「Mbed Studio」などが挙げられる。またTheia Platformは、開発開始当初からサーバー上で動作させることを想定しており、サーバーで動作している統合開発環境に、開発者がWebブラウザでアクセスして使うための機能を取り込んできている。
今回は、Windows、Linux、macOSにそれぞれ対応したソフトウェアの配布を開始したが、Theia IDEのダウンロードページでは、サーバーで動作させたThiea IDEを試用できる環境も提供している。さらに、実験的という位置付けではあるが、Theia IDEが動作する環境をまとめたDockerイメージも配布している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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