ユニークなアプリの発想源は? 笑顔を届ける開発の秘訣
──面白いアプリ開発のアイデアはどのように考えていますか?
ジンバ:正直、行き詰まることも多いのですが、要素と要素の掛け算で考えることが多いですね。
例えば、高齢者専用SNS「Jijitter(ジジイッター)」というのをリリースしています。
大河原(CodeZine編集部):ハハハハハハハ(笑)
ジンバ:名前だけで面白いでしょう? このアプリの特徴は、まず文字が大きいこと。それからアカウントを作成しようとすると、パスワードが2文字なんです(笑)。3文字以上入力すると「どうせ覚えられないでしょ」って警告が出て、めっちゃ煽られます。このアイデアは、自分が得意なIT領域と、普段SNSを使わない高齢者のかけ合わせが意外で面白いかなと考えました。
ちなみにこのアプリは、FlutterとFirebaseで作っています。実はFirebaseは、パスワードが6文字以上じゃないと認証できないんです。そこでJijitterでは、アプリの裏側で残りの4文字分を補ってあげる仕様にしています。こういう技術的な部分は、僕なりにどうしたらやりたいことを実現できるか考えつつ、キャッチアップの勉強も欠かせません。
──プログラマー芸人として、印象に残っている仕事を教えてください。
ジンバ:「膝小僧お仕置きストしんぺー」さんという先輩芸人が登場するゲームアプリを作ってリリースしたら、200人ぐらいの方にダウンロードしていただきました。しんぺーさんの「膝小僧お仕置き」のギャグをもとに3つのゲームが楽しめる力作だったんですけど、いろんなライブでお客さんから「あのゲームを作った人ですよね?」と声をかけられたんです。自分の作ったアプリがお客さんに届いてるんだって実感が湧いた瞬間でした。
また大阪松竹時代には女性タレントさんも事務所に多く所属していたので、彼女たちが出てくる恋愛ゲームを作りました。タレントさんにどんなシチュエーションやセリフが好きかインタビューして、セリフの声は録音もさせてもらいました。恋愛ゲームの開発は、コード自体はあまり複雑ではないんですけど、ゲーム制作として僕に依頼していただいた初めてのお仕事です。女性タレントさんのファンの間でも盛り上がってもらえました。
──プログラマーと芸人を両立する上で、苦労や課題はありますか。
ジンバ:時間の管理が一番大変です。平日のお昼はエンジニアとして働いているので、参加できないオーディションもあります。ネタを作るときにはアプリ開発から始めるので、技術的なキャッチアップにも時間が必要ですし。
あと、実は社会人1年目のときは、会社の人に芸人をしていることを内緒にしていました。YouTubeにエンジニア関連の動画をあげた頃にバレちゃったんですけど、最初は「お前、芸人やってるやろ」って言われても「やってません」って答えてました(笑)
『ウチのガヤがすみません!』に出たときは、月曜日の深夜に放送だったので、上司が寝る前にテレビつけたら「さっきまでオフィスで仕事をしてたジンバがスタジオにいるやん!」って驚かれたようです。次の日、会社の人が番組を録画したブルーレイを持ってきてくれて、めっちゃ嬉しかったですね。
──ジンバさんの今後の目標について教えてください。
ジンバ:「街を歩いてたら声を掛けられる」という状況を経験してみたいです。テレビ出演の後、スタジオで着ていたのと同じ格好で新宿をグルグルしたんですけど、全然気付いてもらえなくて......。みなさん、もし街でジンバを見かけたら、ぜひ声をかけてください(笑)!
CodeZine編集部担当 大河原より
今回、ジンバさんに私のアバターキャラクターが登場するゲームを作っていただきました! 自分にそっくりなキャラクターがゲームの中で動いているのを見て、CodeZineロゴを投げつける必殺技も含めて爆笑してしまいました。
ジンバさんの「お客さんを楽しませたい、笑わせたい」という気持ちがひしひしと伝わってくるインタビューです。ジンバさん、素敵なゲームを披露していただき、本当にありがとうございました!
Xアカウント:@YukiOgawara