15万回以上の閲覧を記録! 技術以外のスキルに注目した「エンジニア基礎」研修とは
──自己紹介をお願いします。
池添 誠さん(以下、ZOEさん):ウィルゲートでVPoEを務めています、池添 誠(@for__3)です。インターネット上ではZOE(ぞえ)と名乗っています。開発グループ全体を統括し、ピープルマネジメントやエンジニアの育成に力を入れています。特に教育や1on1に強みがあり、共にキャリアを考えることで組織にバリューを提供したいと考えています。
業務を超えた活動としては、昨年から技術カンファレンスで登壇するようになり、今年2月のデブサミでもエンジニア組織についてお話ししました。登壇は自分自身の成長につながりますし、自分が技術カンファレンスを楽しんでいる姿を見せることで組織の活性化にも貢献したいので、積極的にイベントに参加しています。
向平 琴未さん(以下、ことみんさん):ウィルゲートに新卒で入社して4年目のことみん(@kotomin_m)です。3年目までは「EditorU(エディトル)」というプロダクトの担当エンジニアとして、バックエンドからフロントエンドまで幅広く関わってきました。「ビジネスサイドとの連携」や「要件定義」「仕様設計」「実装」「リリース」「運用・保守」まで、プロダクト開発に関わる部分全般を担当していました。最近SREにキャリアチェンジし、現在は複数のプロダクトを横断してPHPのバージョンアップなど、プロダクト開発の裏側を支えています。
私も学生時代に初めてカンファレンスに参加し、その楽しさに魅了されて以来イベントに頻繁に参加しています。社会人になってからは、自分の仕事の経験を登壇して共有したり、運営側に加わったりしています。
──ウィルゲートのエンジニア組織はどのような体制で運営されていますか?
ZOEさん:ウィルゲートには約190名の社員が在籍していて、そのうちエンジニアは20名ほどです。開発組織は、既存のプロダクトごとの開発チームからなるユニットと、新規プロダクトを担当するユニット、そしてプロダクトを横断して開発の基盤を担当する開発本部ユニットから構成されています。最も人数が多いのはプロダクトごとの開発ユニットで、次に新規プロダクトのユニットが続きます。開発本部のユニットは専任と兼任のメンバーが混在し、他のユニットメンバーと相互に連携しながら開発業務を進めています。
弊社のエンジニア組織で特徴的なのは、開発本部の中にインフラやSREなどの典型的な役割だけでなく、文化形成をミッションとする組織デザインや組織活性というチームも含まれることです。ウィルゲートが大切にしている組織や風土を醸成する役割を担っている大事なチームで、具体的には、エンジニアのLT会や勉強会、カンファレンスへの参加や報告などを企画・運営しています。今回の新入社員向け研修「エンジニア基礎」企画も、ここから生まれました。
──「エンジニア基礎」はどのような研修ですか?
ことみんさん:エンジニアとして必要なスキルの中で、技術的なものを除いた全般を扱っています。具体的には、エンジニアとして働くうえでの心構えやコミュニケーション、成長に大事なマインドセットなどを伝える研修になっています。エンジニアを対象としているので「エンジニア基礎」という名称ですが、内容はエンジニアでなくても社会人全般に通じるものだと思います。
──なぜ技術以外のスキルに焦点を当てたのですか?
ことみんさん:組織デザインチームが研修を企画したことがきっかけですが、私自身も3年間エンジニアという仕事を経験して、成長するうえで大事なのは技術よりも土台となるスキルだと感じました。そこで、エンジニアを始めたばかりの社員にこのような基礎的なスキルを体系的に伝えたいと思いました。
ZOEさん:テクニカルスキルは時とともに陳腐化しますが、技術をどう扱うかというスタンスやマインドはどんな時でもエンジニアが大事にすべきものだと常々感じてきました。ことみんは2021年にウィルゲートに新卒で入社し、こうしたマインドが強みでどんどん成長していました。これを言語化して新入社員に伝えられるようになれば、後輩の成長も促せますし、ことみん自身もさらに成長できると考え、研修をやってみないかと提案しました。
──研修を作るうえで参考にしたものはありますか?
ことみんさん:ベースにした書籍や資料は特になく、自分の3年間の経験をもとに、大事だと思ったことを言語化してアウトプットしました。私が新人だった時は、こうしたマインドに関するスキルが体系的にまとめられた教材はなく、業務の中で「ここが大事だよ」とその場その場で断片的に教えてもらっていました。だから、研修をやってみないかと提案された最初は「何から取りかかればいいか分からない」と不安でしたが、ZOEさんと一緒に必要な要素を洗い出して整理した結果、「なんだかできそうな気がする!」となりました。
ZOEさん:最初は「できる気がしない」と言っていたことみんが、少し手伝うと「できそうな気がする!」と言って200ページを超える資料を作り上げたので、本当に驚きました。
ことみんさん:2時間の研修だよって言われたので、資料もたくさん必要だなって頑張りました!