正式リリースされた二つの機能
本連載は、フロントエンドフレームワークVueのアップデート内容を紹介しているものです。今回は、2023年12月にリリースされた3.4、および、2024年9月にリリースされた3.5の内容をまとめて紹介します。
3.4、3.5ともに、SFCのビルドの改善やリアクティブシステムの改善など、パフォーマンス面での改善もかなり行われていますが、こういった目に見えない部分だけでなく、目に見える機能面でもいくつか新しいものが導入されています。
その中から最初に紹介するのが、以前は実験的リリースだった機能が正式リリースとなったふたつの機能です。実はこれらの機能は、第1回ですでに詳細に紹介しています。
正式リリースとなったdefineModel()
ひとつめは、defineModel()マクロです。これは、v-modelによる新しい値の自動格納の仕組みを簡潔に記述できるようにしたマクロであり、これまでは実験的な機能でした。それが、バージョン3.4で正式リリースとなりました。defineModel()の紹介に関しては、第1回の記事を参考にしてください。
正式リリースとなったPropsのデフォルト値
ふたつめは、Propsのデフォルト値の記述です。リスト1のように、オブジェクトの分割代入を利用したPropsのデフォルト値の設定構文が、これまでは実験的な機能でした。それが、バージョン3.5で正式リリースとなりました。詳細は、第1回の記事を参考にしてください。
const {note = "--"} = defineProps<Props>();