IDC Japan、国内ITサービス市場予測を発表。2028年には8兆8201億円に達する見込み

　IDC Japanは、国内ITサービス市場における2023年〜2028年の年間平均成長率（CAGR：Compound Annual Growth Rate）が6.2％で成長し、2028年には8兆8201億円に達するとする、国内ITサービス市場予測を12月3日に発表した。

　2023年の国内ITサービス市場は、国内企業のデジタルビジネス化に向けた需要が既存システムの大規模な変革と、イノベーションを指向する新たな領域でのシステム構築の両面で活発化したことから、前年比7.3％増の6兆5380億円と高成長を遂げている。

　サービスセグメント別では、ITコンサルティングやSIといったプロジェクトベース市場がとりわけ高い成長を遂げ、既存システムの変革に向けた大型プロジェクトが多くみられた。ITインフラのクラウド移行、インフラ／アプリケーションのモダナイゼーションが進行したほか、デジタルビジネス化に向けた新たなシステムへの需要が市場を牽引している。

　産業分野別では、中央官庁／地方自治体の大型案件の増加が成長を牽引した一方で、製造業におけるERM（Enterprise Resource Management）を含む基幹システムのクラウド移行や刷新、流通業ではCX最適化やインボイス対応、金融業では大手金融の基幹システム刷新やデータ活用に向けた基盤構築／顧客接点系システムといった、各産業において投資を牽引するテーマが存在しており、産業分野別の成長率に大きな相違はみられなかった。

　2024年以降の国内ITサービス市場は、活発な需要を背景にサービスセグメント別、産業分野別のどちらも好調を維持し、2023年〜2028年のCAGR 6.2％で成長し、2028年には8兆8201億円に達すると予測している。依然継続するクラウド移行需要に加えて、インフラ／アプリケーションのモダナイゼーション需要、デジタルビジネス化に向けた新たなシステムへの投資が継続的に成長を支えるほか、AIユースケースの発展がITサービス市場の成長を促進する。