米Dockerは、開発者向け共同コンテナ化ソフトウェアDocker Desktopの最新バージョンとなる、「Docker Desktop 4.40」を4月1日(現地時間)にリリースした。
Docker Desktop 4.40には、AIモデルをローカルで簡単に実行できるDocker Model Runnerのベータ版が収録されている。ベータ版では、すぐに使えるローカルモデル実行、Apple SiliconのGPUアクセラレーションによる高速なパフォーマンス、OCIアーティファクトを使用して標準化されたモデルパッケージの3つのコア機能が含まれる。
Docker AI Agentでは、シェルコマンドの実行、Git操作の実行、リソースのダウンロード、ローカルファイルの管理が新たにサポートされた。また、Docker Scoutの統合によって、Dockerfileやイメージのセキュリティ分析の実行といった、Dockerエコシステムの他のツールもサポートされるようになっている。
さらに、Docker AI Agentがモデルコンテキストプロトコル(MCP)を採用し、MCPクライアントとして機能するようになるとともに、Docker AI Agentの機能の多くがMCPサーバとして公開されるようになり、Docker DesktopのGUIまたはCLI、Claude DesktopやCursorといったクライアントで、エージェントと対話できるようになった。
あわせて、AIツールカタログ拡張機能によって、さまざまなMCPサーバを探して、Docker AI AgentをDockerエコシステム内の他のツールやLLMにシームレスに接続可能となったため、複数のMCPサーバを手動で設定する必要がなくなっている。また、ログインや認証情報の管理を簡素化すべく、APIキーなどMCPサーバにおけるシークレットの安全な処理や挿入機能も追加された。
ほかにも、Docker Desktop 4.36で導入されたデスクトップ設定管理機能に基づいて、新たにDocker Businessユーザー向けの堅牢なコンプライアンスレポート機能が提供されるようになり、管理者は組織全体で割り当てられた設定ポリシーに対する、ユーザーのコンプライアンスを包括的に把握できるようになる。同機能によって、ユーザーが割り当てられた設定ポリシーに準拠しているかを簡単に監視することが可能になり、非準拠のシステムやユーザーを迅速に特定・対処できる。また、詳細なコンプライアンスステータス情報を通じて、特定のユーザーがコンプライアンスに準拠していない理由を診断可能になり、解決時間とIT管理負荷の削減につなげられる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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