誘う技術と、受ける柔軟性——コミュニティが個人の「武器」になる条件
最後のテーマは「個人の学びを組織の変革につなげるには?」だ。
コミュニティ参加が続く人と続かない人の差について、加藤氏は自身の体験から興味深い考察を示した。実は1年目にも「ご飯が美味しいよ」と社外コミュニティに誘われたことがあったが、「大丈夫です」と断ってしまった。6年目と1年目の差は何か。「1年目は参加したらどうなるか全く想像できなかった。6年目は自信はないながらも、参加しても何かしら喋れるかなという無意識の想像があったのかもしれない」。
この洞察から、誘う側に求められる技術が見えてくる。相手の経験値やキャリアのタイミングを見ながら、「参加後のイメージを持たせられるかどうか」が鍵になる。「普段のコミュニケーションから、その人のキャリアや求めているタイミングに合わせて声をかけることが重要」という加藤氏の言葉は、単なるコミュニティの誘い方を超えた組織マネジメントの示唆でもある。
黒須氏は今回のセッション自体がその実践例だと明かした。登壇者を探す際に真っ先に2人が浮かんだのは、「この人たちなら清々しく『いいですよ』と受けてくれると思った」からだという。適したタイミングで機会を届けたいという思いと、それを受け取る相手の柔軟性——両者が噛み合う時にコミュニティがキャリアに機能する。「このタイミングで彼女たちにこの場に出てもらうことで皆さんに知ってもらいたかった。そのタイミングを呼び寄せる振る舞いを、普段の柔軟性や立ち振る舞いから示してくれているんだろうと思う」と黒須氏は語った。
最後に2人がそれぞれメッセージを届けた。藤本氏は「チャンスの神様は前髪しかないなんていうけど、振り返ってくれる。やりたいと思った瞬間にあの人はこういうことをやっていたな、ちょっと話しかけてみようというきっかけでいい。一歩踏み出してみてください」と呼びかけた。
加藤氏は「自分でチャレンジしようか悩んでいることは、一旦不安を箱にしまってチャレンジしてみると色々舞い込んでくる。誘う側なら、とりあえず一緒に行くから行ってみようと優しく誘うところから始めるといい」と締めくくった。
