はじめに
この連載では監視用プロトコルとして広く知られているSNMPについて設定方法などを交えて説明していきます。今回はnet-snmpの構築について言及していきます。
構築環境はFedora7(2.6.23.17-88.fc7)、32bit、glibc-2.6-4、gcc-4.1.2を使用しています。
これまでの記事
3. snmp環境の構築
3.1 エージェントの構築(net-snmpの使用法)
net-snmpは、現在SourceForgeで管理されてるオープンソースのSNMP開発キットです。Linuxの場合、net-snmpでSNMPプロトコルを実装するのが一般的です。2008/7/18現在、最新版は5.4.1.2です。
今回はせっかくなので最新版である 5.4.1.2 を使います。しかし最新版にはrpmファイル(パッケージ)が存在していないので、ソースファイルをmakeしてインストールします。
rpm -qa | grep snmp コマンドで確認してください。
以降はインストールおよびデフォルトの動作確認を行います。環境は次のとおり。
- エージェント
Fedora7(2.6.23.17-88.fc7)32bit、IP address 192.198.1.12
- マネージャ
WindowsXP、IP address 192.198.1.4Fedora7(2.6.23.17-88.fc7)32bit、IP address 192.198.1.12
上記のエージェント環境へ 3.1.1 ~ 3.1.5 を実行します。実行の際はすべて管理者権限(root)で実施します。
3.1.1 パッケージの入手
SourceForgeからnet-snmpパッケージをダウンロードします。[5.4.1.2]を開き、「net-snmp-5.4.1.2.tar.gz」を落とします。
3.1.2 解凍/コンパイル/インストール
ダウンロードした net-snmp パッケージを解凍します。
% mkdir .snmp % cd .snmp % mv <ダウンロード先ディレクトリ>/net-snmp-5.4.1.2.tar.gz . % tar -zxf net-snmp-5.4.1.2.tar.gz
解凍した後、環境設定を行うためにconfigure
コマンドを実行します。2~3分で終わります。
% cd net-snmp-5.4.1.2 % ./configure --prefix=/usr
下記について聞かれます、(enter)とあるのは、何も記述せずにEnterだけ押してください。
-Press return to continue- (enter) Default version of SNMP to use (3): (enter) System Contact Information (root@): root@localhost.localdomain (↑ 上記を記述後、enter) System Location (Unknown): (enter) Location to write logfile (/var/log/snmpd.log): (enter) Location to write persistent information (/var/net-snmp): (enter)
configure
が終わったらmake
です。
% make <- make処理、10分くらい % make test <- makeの確認、3分くらい Summary: 59 / 59 succeeded. ↑ 数字は置いといて、succeeded が出ればOKです。 % umask 022 <- 新規作成ファイルの初期パーミッションを設定 % make install <- インストール、1分くらい
正常終了したら、下記ファイルが存在することを確認します。
% ls -l /usr/sbin/snmpd -rwxr-xr-x 1 root root 50027 6月 27 01:16 /usr/sbin/snmpd % ls -l /usr/sbin/snmptrapd -rwxr-xr-x 1 root root 59526 6月 27 01:16 /usr/sbin/snmptrapd
3.1.3 設定ファイル作成
下記ファイルを作り、「/usr/share/snmp/snmpd.conf」とします(詳細は別章にて説明します)。ファイルアクセス権は644にしておきます(新規作成したら644になってるはずです)。
# com2sec notConfigUser default public com2sec local_config localhost localcom com2sec secure_config 192.168.1.0/24 securecom # group notConfigGroup v1 notConfigUser group local_group v1 local_config group local_group v2c local_config group local_group usm local_config group secure_group v1 secure_config group secure_group v2c secure_config group secure_group usm secure_config #view systemview included .1.3.6.1.2.1.1 view view_local included .1.3.6.1 view view_public included .1.3.6.1 access local_group "" any noauth exact view_local none all access secure_group "" any noauth exact view_public view_public all
3.1.4 動作確認
snmpdを起動します。下記コマンドを実行、メッセージは特に出力されません。
% /usr/sbin/snmpd
インストールした環境で下記コマンドを実行。ガッサリ流れたらOK。
% snmpwalk -v 2c -c localcom localhost .1.3.6.1.4.1.2021 % snmpwalk -v 2c -c securecom 192.168.1.5 .1.3.6.1.4.1.2021
snmpwalk
は、net-snmpに付属しているコマンドベースのsnmp簡易マネージャです。引数等は別章で説明します。
出力されたのを確認したら、snmpdを落とします。
% kill `ps -ef | grep snmpd | grep -v grep | awk '{print $2}'`