はじめに
Eclipse RCP(Rich Client Platform)が登場してしばらくたちますが、いまいち普及していないのが現状です。この理由として、RCPの簡単なチュートリアルの文献は多く見かけることができますが、実際に使えるRCPアプリケーションを作るための情報が欠けているためだと思います。本稿ではRCPを「知っている」レベルから「使える」レベルに引き上げるためのいくつかのノウハウを提供します。
対象読者
- Eclipse RCPに興味がある/作成したことがある
- Eclipseプラグイン作成に興味がある/作成したことがある
- SWT/Swingアプリケーションに興味がある/作成したことがある
必要な環境
本稿の開発にはEclipse SDK 3.1.2を利用します。また、ランタイムの実行や、ソースのコンパイルにはJ2SE 5.0が必要になります。
ViewCVS専用ブラウザの概要
今回作成するRCPアプリケーションはViewCVS専用ブラウザです。「ViewCVS」は、会社内などの強固なファイアウォールの内側からインターネット上のCVSリソースを参照する際に必須なWebアプリケーションです。
しかし、ViewCVSはブラウザでディレクトリ構造をたどる必要があるため、使い勝手があまり良くありません。そこで、次の機能を持ったViewCVS専用ブラウザを作成することを目標とします。
- CVSの構造をディレクトリツリーでナビゲーションできる
- 普通のブラウザとしてViewCVSを閲覧できる
使い方
[ファイル]-[URLの追加]、または[CVSブラウズ]のアクションから表示したいViewCVSのURLを指定してください。
URLを指定すると、[CVSブラウズ]の部分にCVSのディレクトリ構造が表示され、[ブラウズ]の部分にHTMLブラウザが表示されます。
[CVSブラウズ]上のツリーアイテムをダブルクリックすると、対応するURLが[ブラウズ]に表示されます。また、ツリーを開くとHTML解析が実施され、ディレクトリ構造が構築されます。