インターネットでのコンテンツ配信を手がける最大手「アカマイ」は20日、クラウドベースでのWebアプリケーション・ファイアウォール(WAF)ソリューションを業界で初めて提供することを発表した。
インターネットでのコンテンツ配信を手がける最大手「アカマイ」は20日、クラウドベースでのWebアプリケーション・ファイアウォール(WAF)ソリューションを業界で初めて提供することを発表した。
同社の分散型コンピューティング・プラットフォーム「EdgePlatform」上でWAF機能を提供することで、Webアプリケーションに対する攻撃を、データセンターに届く前のファイアウォールの外側で対処できるようになる他、クラウド環境の特性を活かしたオンデマンドのスケーラビリティも兼ね備えており、エンタープライズ分野におけるクラウド・コンピューティング環境の普及をさらに促進していきたい構えだ。
クレジットカードによる安全なオンライン取引を実現するための、PCIデータセキュリティ標準(PCI DSS)のセクション6.5、6.6に準拠しており、一般社団法人 日本オンラインゲーム協会 事務局長の川口洋司氏は「同サービスの利用を推奨するとともに、標準インフラとして検討を始めた」と述べている。
アカマイWAFモジュールは、同日よりベータプログラムの提供が開始され、2009年後半からの製品の本格出荷を予定している。米国での料金設定はアプリケーション一つに対し月額5,000米ドル程度で、日本での価格は未定としている。
また、EdgePlatform上で動作する日本初のサードベンダーによるアプリケーションとして、クラスメソッドによる画像サイズ変換モジュール「Dynamic Image Converter」も同時に発表された。端末に適した画像サイズへの変換処理をデータセンターの手前で行うことで、オリジンサーバーへの変更を抑えつつ、処理負荷の軽減を可能にする。全世界で4万台以上が配置されているEdgeサーバーでは、TomcatやWebSphereによってJavaのプログラムが動作するようになっており、クラスメソッド株式会社 代表取締役の横田聡氏は「開発者からすると、使い慣れている言語で簡単に作れて配置することができた」とコメントした。
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・アカマイ株式会社
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...
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