はじめに
ASP.NET AJAXの登場によりサーバーコントロールを用いたASP.NETアプリケーションにインタラクティブな機能を実装させることが可能になりました。しかし、高度なフィードバック アニメーションなどのUI処理とAjax処理を制御するにはクライアント側JavaScriptを構築することも必要となり、一般的なASP.NET開発領域からはみ出してしまうこともしばしばです。
NetAdvantage ASP.NETのASP.NET AJAXコントロールはサーバーコントロールを使う感覚でASP.NET AJAXアプリケーション開発を可能にします。
対象読者
ASP.NETおよびASP.NET AJAXを使用するWebデベロッパー。
必要環境
- マイクロソフトVisual Studio 2008あるいはVisual Web Developer 2008 Express Edition
- Infragistics NetAdvantage ASP.NET 2009 Vol. 1 CLR 3.5
(NetAdvantage Web Client/Select/.NET パッケージに含まれます)
本稿ではCLR 3.5をターゲットとするWebサイトを想定していますが、CLR 2.0ターゲット上でもASP.NET 2.0 AJAX Extensionを併用することでASP.NET AJAXを使用することが可能です。CLR 2.0ターゲットを使用する場合にはNetAdvantage ASP.NET 2009 Vol. 1 CLR 2.0を使用してください。また執筆時には上記の環境をWindows 7 RC版で動作させていますが、Windows XPあるいは Windows Vistaでもかまいません。
コンポーネントのインストール
Visual Studio上で NetAdvantage ASP.NETを使用するには、まずインフラジスティックス社のサイトよりインストーラを入手し、実行します。インストーラを実行するとプロダクトキーの入力画面が表示されますが、キーを入力せずにインストーラを続行することでトライアル版として使用することが可能です。なお、期限付き(20日間)のトライアル版では有償の製品版とまったく同じ機能が使用できます。詳細については同梱されているリリースノートを参照してください。
ASP.NET AJAXのおさらい
ASP.NET AJAX Webサイト
ASP.NET AJAXを構成するフレームワークASP.NET AJAXサイトの構築手順などは他の記事でも紹介されているため本記事では省略しますが、ASP.NET AJAXを使用するWebサイトには基本的に以下に挙げるものが必要となります。
- web.configファイル
- .aspxページ
ASP.NET AJAXライブラリ参照(System.Web.Extensions)と、ScriptHandlerの定義。
ScriptManagerの配置。
ASP.NET AJAXに必要なweb.configの参照設定はVisual StudioでCLR 3.5をターゲットとするWebサイト(あるいはCLR 2.0ターゲットのAjax-Enabled Webサイト)を作成した時には自動的に追加されます。また、ScriptManagerも自動的に配置されます。
この中で、Ajaxを使用するデータ連携などはMicrosoft Ajaxライブラリを介して行われます。
NetAdvantage ASP.NETとASP.NET AJAX
NetAdvantage ASP.NETでは2008 Vol.1リリースよりASP.NET AJAXのフレームワークを活用したコントロールが提供されていますが、従来のリリースにおいてもAjax機能は提供されていました。
NetAdvantageの従来のコントロールでのAjax機能
従来のコントロールではインフラジスティックス独自のAjaxエンジンが搭載され、Ajax処理を行うスクリプトを生成・管理していました。配置されたコントロールのポストバックをAjax化するコンテナであるWebAsyncRefreshPanelをはじめ、各コントロールでのロードオンデマンド機能などがこのエンジンを使用して提供されています。