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グラス片手にアジャイル開発

グラス片手にアジャイル開発 第1回
― 実践的アジャイル開発とは


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 これまで、アジャイルは一部の信奉者により熱く語られてきましたが、その“理念”を重視するあまり具体的な手法に落としきれていませんでした。しかし最近、長所を活かしてシステム開発の改善に役立てようという会社が急増し、アジャイルが再評価されています。本連載では、アジャイルのメリットとデメリットを客観的に見極めて、開発現場で実践するための具体的な方法を示します。

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実践的アジャイル開発とは

 これまで、アジャイルは一部の信奉者により熱く語られてきましたが、その“理念”を重視するあまり具体的な手法に落としきれていなかったように思います。しかし、最近になって長所を活かしてシステム開発の改善に役立てようという会社が急増しており、アジャイルが再評価されています。本連載では、アジャイルのメリットとデメリットを客観的に見極めて、“理念”や“思想”だけでなく開発現場で実践するための具体的な方法を示していきます。

「黄金のアジャイル開発手法」を伝えます

 「力を結集して、国産ソフトウェアを海外展開しよう!」。そんな志で日本の有力パッケージベンダが集結した「MIJS(Made in Japan Software)コンソーシアム」で、筆者は活動しています。そこでは、図1のように海外展開やクラウド事業などのテーマごとに3つの委員会に分けて活発な議論やアウトプット作りを行なっており、その1つに「製品技術強化委員会」という分科会があります。毎月、各社のエンジニアがお互いの技術やノウハウを出し合って、生産性を高めるための仕組みやツールの使用、クラウドの比較や取り組みなどの情報を共有しています。

図1:MIJSの3つの委員会活動
図1:MIJSの3つの委員会活動

 そんな活動の中で、想像した以上にすでに各社がアジャイル開発を行なっていることが分かりました。ただし、一口にアジャイル開発と言っても適用範囲ややり方はまちまちです。アジャイルは多分に精神論的なところも多いので、各社各様のやり方で試行錯誤しながらアジャイル開発を取り入れている状況でした。

 ウォーターフォール式は、長年の実績の中でおおよその方式が固まっています。同じように、アジャイル開発においても現実的で効率的なやり方があるはず。ならば、各社のノウハウを持ち寄って実践的なアジャイル開発手法を確立しよう。そんな目的でまとめた実践的なアジャイル開発手法が「黄金のアジャイル開発手法」です。

 本連載では、この実践的なアジャイル開発手法を読者の皆さんにお伝えします。各回の内容は表1のとおり(あくまで予定であり、変更することもあります)。MIJSだけでなく、日本のソフトウェア業界全体が世界に伍して戦うためにお役に立てればと思っています。

表1:連載のテーマ(予定)
回数 テーマ
第1回 実践的アジャイル開発とは(意義や適用しやすさなど)
第2回 アジャイルの主な実践手法とその取捨選択(意義や適用しやすさなど)
(XPやスクラムなど)
第3回 アジャイル開発プロジェクトの計画手法
第4回 ハイブリッドアジャイルの実践法
第5回 アジャイル開発プロジェクトの進め方
(スプリント管理方法など)
第6回 実践ペアプログラミング
第7回 実践的テスト駆動開発
第8回 継続的統合とアジャイル開発における結合テスト
第9回 アジャイル開発を支援する具体的なツールの紹介と利用法
第10回 アジャイル開発におけるドキュメンテーション
第11回 アジャイル開発における要員管理
第12回 まとめ(アジャイルの導入効果、課題など)

次のページ
最近、急速に利用されつつあるアジャイル開発

修正履歴

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この記事の著者

株式会社システムインテグレータ 梅田 弘之(うめだひろゆき)

前職でERP「ProActive」を開発したのち1995年に株式会社システムインテグレータを設立。ECパッケージ「Web Shopping」や設計・開発支援ツール「Object Browser」、Web-ERP「GRANDIT」などのパッケージソフトを次々と企画・開発。“IT業界の近代化...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/5459 2010/10/07 12:17

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