未来のために私たちの帆を立てよう-東北で再び
A会場のワークショップはDevLOVEによる「未来のために私たちの帆を立てよう-東北で再び」が行われた。登壇者は5人、子供さんも加わる面白いワークショップとなった。
DevLOVEは、RubyKaigiの帰り道が結成のきっかけだ。イベントの帰り道は「明日仕事かぁ……」でも前を向くしかない。「現場が大変な中でも、自分が行いたいソフトウェア開発を実施するため、もっと良い仕事ができるようになるには?」これがDevLOVEの結成につながったそうだ。
自分たちの現場では問題になっていることも、他の現場では解決できているかもしれない。ここでHangerFightが紹介される。飛行機がまだ未知で危険な時代に、格納庫に集まり、お互いの体験を話し合っていたことにあやかっている。
デベロッパーによって開発の現場とは未知なるものの遭遇の場。「デベロッパーがHanger(デベロッパー勉強会)に集まって、お互いの経験を話し合いシステム開発を知ろう。」をテーマに、HangerFightが会場で実践された。
セッションでは、クリエイビティ―「より良いモノ、コトを届ける力・姿勢・気概」―を形にするためにいくつかの問いを出された。開始前にURLを知らされ、携帯・スマートフォンで各自参照する形だ。こちらでは質問に関する回答ボタンが用意されており、これをクリックすることでリアルタイムに会場の画面に円グラフで反映される仕組みになっていた。また回答の後は、複数人でその回答によって話し合いが行われた。
5問の問いと相談・そのシェアを行った結果、「これをやる!」という結論が出る。これを「帆を立てる」と表現する。「自分たちのことは自分たちでやるしかない」帆を立て続けようとした時に発生した3.11。しかし、無力感の後に感じたことは「自分は自分ができることをすれば、いい」ということだった。デベロッパーによっては「ソフトウェア開発の仕事」かもしれないし、さまざまだろう。
ここで、他イベントなどで集めた「誰かに頑張れではなく、自分はこれをやる」という決意表明の一部が、会場で紹介された。
今日から始めるアジャイル開発 見積もり編
B会場のワークショップは、株式会社永和システムマネジメント/スクラム道 西村直人氏による「今日から始めるアジャイル開発 見積もり編」。「起立!礼!」という掛け声とともに開始された。
机・椅子は数人でグループになっており、まずはグループで自己紹介タイムが設けられた。
まずはこれらを1人で見積もって下さい、ということで出されたのが「紙飛行機を3機つくる」「ティッシュでこよりを5本つくる」「粘土で動物を3匹つくる」……この3項目について必要な時間を個々に見積もってみた後、これを実際に1人で行ってみる。その結果は……「外れたよね?」しかし、これが実際の現場では大変なことになってしまうはずだ。
アジャイルはチームで行うものだ。そこで今後はテーブルごとでまとまって見積もりを行ってみる。次に出された見積もりの項目は「ティッシュでこよりを15本つくる」「名刺を10枚あつめる」「花の名前を15コ書く」。実際にテーブル複数人で見積もりの作業を行うと、1人より行いやすい。西村氏の結論として「1人でやらない」「チームで見積もる」と出した。
もう一つ重要なこととして出したのが相対的な大きさだ。「僕の身長は何cm?」「天井の高さは何m?」「天井までは僕何人ぶん?」これを三角測量(triangulation)をいう。これによって具体的な大きさを出しやすくする。
アジャイルな見積もりとしてプランニングポーカーを実施。そこで出した下ごしらえが「画用紙」だ。用意するものは「画用紙」「ハサミ」「ペン・クレヨン」。画用紙を切って、「1」「2」「3」「5」と記入。これで1人前。見積もるのは「紙飛行機30機」「こより100本」「今日の感想をブログに」「紙コップ50cmの塔」「自宅の大そうじ」「ミスターカラスコ粘土像」だ。これらをS(楽勝)・M(まぁやれる)・L(ちょっと大変)にざっくり分類。そしてちょうど真ん中のところで基準となる数値「3」を入れる。この数値「3」が基準となる見積もり。ただしこの「3」には単位がない。このような説明を得て、実際にグループで話し合いながら、改めて見積もりを実施した。このプランニングポーカーを自分の現場へ生かしてほしいと締めくくった。
TDD Boot Camp 仙台(TDDBC)
また、C会場ではテスト駆動開発(Test Driven Development)+ペアプログラミング(ペアプロ)が、丸1日かけて行われた。Javaが6グループ、他にPHP・C#・Rubyによるグループが構成された。
仙台では珍しい開催で、地元参加者も居る。仙台では少人数でコーデングしている人も少なくなく、ペアプログラミングは他人のコードを見たり、新たなテクニックを知ったりできる良い機会だったようだ。
その後の反応
イベント終了後の懇親会で、東京からの参加者が「もっと落ち込んでいるかと思ったら、活気がある」と言っていた。3.11から3か月半で開催されたこのイベント、実行委員も気合いが入っており、独自に前夜祭が行われる程だった。遠方から参加し、前夜祭から参加している人もいた。
震災からの復興をテーマに、仙台ではイベントが活発に行われる状況の中で行われており、すでに顔なじみの人も少なくなかったが、遠方からの参加者が多く、名刺交換もけっこう行った。つくっていた名刺が結構なくなり、代わってさまざまな方の名刺が自分の名刺入れに入っていた。
その後TwitterやFacebookの反応によると、結構影響を受けている人は多く、新たなイベント開催が企画されている声も聞こえてきた。東北内外共に成果のあるイベントだったと思う。これからデブサミが各地で行われ、また成果となって広まると共に、また東北にデブサミがやってくる日を願って。
現在、株式会社翔泳社では、7月2日に仙台で行われた「デブサミ東北」のオンデマンド配信のライセンスキーを販売しています。
売上金額は、東日本大震災義援金として「ITで日本を元気に!」事務局へ全額寄付されます。
- 1口 105円(1口から99口まで)
- 【申込受付期間】 2011年7月29日 21:00まで
- 【配信終了日時】 2011年7月30日 24:00まで
ご協力、よろしくお願いいたします。
