自らが動くことで変化する時代生き抜く
デブサミ2012のテーマは「10年後の生き残り」。日本は少子化が進んでいるため、当然の帰結として外国人の受け入れが多くなる。そのためには、外国から優秀な人を引きつける魅力的な国でなければならない。終身雇用でただ長くいるだけの人を雇い続けるのは負担が大きい。そういう意味でも終身雇用は終わったと考えるべきだ。
実際、今給黎氏も参加しているグリーのスマホゲーム開発チームのエンジニア構成を見ると、12人中日本人は6人。そのうち英語を話す環境にいなかったのは4人だけという。その中で、週2回、英語の朝会が開催され、今給黎氏も少しずつ英語が上達してきており「イイ感じ」とのことだ。
自らの行動指針を決める参考として今給黎氏は、Chad Fowler氏の著書『情熱プログラマー』の一文「一番の下手くそでいよう」を紹介した。例えばJazzミュージシャンとして上達するには、同レベルの仲間で始めるより、優れた集団に飛び込んだ方が早い。楽に群れても力は上がらない。もっと優れた人を捜し求めるべきだ。
今給黎氏は元々、3Dグラフィックスのプログラミングで知られており『ゲームエンジン・アーキテクチャ』という単行本の監訳を務めた経験もある。ただ、1つのところに留まっているのには飽きたらず、ここ数年はさまざまなアジャイル開発の集まりなどに飛び込んでいる。そこで「一番の下手くそ」として数々な優秀なエンジニアと話し、体験することから始め、ステップアップしようとしている。自信のないところでも飛び込んでいき、頑張れば「イイ感じ」になっていくことを実体験しているという。
同様に「師匠を捜す」こともポイントだ。その場として、デブサミは最適な場所だ。好きなセッションを見つけたら、その人・コミュニティに飛び込もう。
ではそこでどのように行動すればいいのか。今給黎氏がTDD Boot Campに参加するきっかけになったのはデブサミ2011におけるt_wadaさんとの名刺交換だ。さらにTDD Boot Campはやりたい人が手を上げれば開催可能であり、ブログなどを見て、今給黎氏は自分にもできると感じた。そして仲間を見つけ、会場、講師、日程、内容、集客方法を詰めて開催にこぎつけた。
今給黎氏は「10年後も世界で通じるエンジニアであるためには、実際に動くことが大切」と語る。デブサミには毎回、すごくツボにはまるセッションがある。講師だけでなく、さまざまなコミュニティもブースを出している。行動のきっかけになるものがデブサミには揃っている。
転職は自分が変わる行動を起こすきっかけになる。就社ではなく、自分が係わる技術そのものが働く場所になる。転職に限らず、フットワーク良い行動が大切。最後に今給黎氏が掲げたキーワードは「動こう」だ。

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