今後の情報処理分野のトレンドと、Jenkinsの方向性
2012年、翔泳社主催で開催された「Developers Summit」。今回、開発プロセスに関するトラックが設けられ、イベント全体のサブタイトルでもある「10年後も世界で通じるエンジニアであるために」というテーマにおいて、必要な開発現場、開発プロセスの変革に関するセッションが多数実施された。
2月17日には、CI(継続的インテグレーション)ツールとして人気の高い「Jenkins」の開発者兼プロジェクトリーダーである川口耕介氏が「Continuous DeliveryとJenkinsアブストラクト」と題し、今後の情報処理分野におけるトレンドを見据えつつ、Jenkinsがどのような方向性を目指しているのかについて解説を行った。
川口氏は冒頭、自身が手がけるJenkinsに関して、開発のスタート時から7年ほどにわたって継続的に関わってきたことに触れ「自分の娘よりも長い」付き合いになると述べた。OSSのCIサーバとしてポピュラーなプロダクトとなったJenkinsだが、プロジェクトで把握しているインストールベースは2012年2月時点で3万1,000件以上であり、ユーザー数に換算すると50万人以上に使われているのではないかと推測している。
Jenkinsが評価されている理由として、川口氏は「使用方法が簡単」「プラグインによる機能拡張が容易」である点を挙げた。さまざまな機能をJenkinsに追加できるプラグインについては、既に450以上が公開されており、現在もその数を増やしているという。