はじめに
開発者なら誰もが参加したことのある”技術系カンファレンス”。カンファレンスで見たデモに刺激を受けたり、憧れのスピーカーと間近で話したりしたことでやる気に火がついた開発者のみなさんも多いのではないでしょうか。今回、そのカンファレンス運営の舞台裏に迫る「カンファレンスカンファレンス」を開催しました。
実際のところ儲かっているの?というリアルな疑問から、カンファレンス運営に対する各人の想いまで、熱いトークが2013年5月17日、日本マイクロソフト株式会社・品川本社で交わされました。
この会の大きな目的は2つあり、一つがカンファレンス主催者同士が工夫したことや苦労話を分かち合い今後の開催の参考にすること、そしてもう一つが主催者側の話を共有することでイベント運営に興味がある方に、今後運営側に入ってきてもらいやすくすることです。
本記事では、カンファレンスカンファレンスを実施するに至った背景、事前打合せなど開催前の裏話、カンファレンスカンファレンスの今後など、運営側の目線での開催レポートをお届けします。
開催のきっかけ
イベントの魅力と苦労
カンファレンスの魅力は参加者が同じ場を共有して、密な関係が構築できること。実は私自身、仕事でイベント運営を担当しており、会場の手配やセッション内容の決定、予算の確保から集客、実施まで経験があります。ただ、イベントは他の取り組みと比較すると関係者も多くなりがちで、実施までの決定事項の洗い出しや調整、そして当日の運営から開催後のレポートまで、本当に労力がかかります。費用対効果の点から実施を断念せざるを得ないという結論になることもあり、イベント運営を効率的に行うことの大変さと重要さを実感していました。
偶然新年会で
そんな中、PyCon JPの運営スタッフのみなさんとの新年会で、主催者側として似たようなイベント運営の苦労をしたことがあることが判明。他のカンファレンス主催者も巻き込んで、一緒に困ったことや工夫したことを話すことで、国内の技術系カンファレンスの底上げをしたいねと意気投合しました。主要なカンファレンスのキーパーソンが集まり、初回にも関わらず100名規模の参加者を集めた「カンファレンスカンファレンス」の実施は、こんなふうに飲み会の場から始まったものでした。
スポンサーとしての関わり
そもそもPyCon JPのスタッフのみなさんと新年会をしていたのは、昨年「Windows Azure」という弊社の製品が、Pythonに対応していることを認知してもらうことを目的にPyCon JPにスポンサーしていたためです。Windows AzureはクラウドプラットフォームでOSS系の言語やツールへ対応しており、よりそのことを広く知っていただきたいという思いがありました。今回OSS系のカンファレンス主催者の方が集まるということで、Windows Azure、加えてマイクロソフトのオープンネスへの取り組みの認知拡大の一助になるという判断があり、無償の会場提供と運営スタッフとしての参加が決定しました。