これまでになかった「横のつながり」
カンファレンスカンファレンス当日、第1部のパネルディスカッションでは以下の方が技術系カンファレンスの主催者として登壇しました。また、第2部ではビアバッシュを行いつつ、参加者の方を交えたトークセッションを実施しました。
| 氏名 | 運営コミュニティ |
|---|---|
| 法林 浩之氏 | 日本UNIXユーザ会/LLイベント実行委員 |
| 牧 大輔氏 | Japan Perl Association代表理事 |
| 田中 康一氏 | PHP Conferenceコアスタッフ |
| Jxck氏 | 東京Node学園祭実行委員 |
| 清水川 貴之氏 | PyCon JP 2012副座長 |
カンファレンスカンファレンス実施前に顔合わせを行った際に分かったのですが、実はみなさん、こうしてイベント運営について意見を言い合ったり、情報交換したりするのは初めてとのこと。それが今回のカンファレンスカンファレンス実施の動機の一つであることは理解していましたが、これだけのイベントを実施された方同士がまだつながっていなかったというのは、個人的にとても意外でした。
役割分担とカンファレンスの継続
適材適所で、エンジニアじゃなくても貢献できる
カンファレンスカンファレンス実施前に事前の顔合わせを行ったのですが、その場では当日時間の関係で取り上げられなかったトピックも話題に上がりました。特に印象的だったのが、運営における役割分担に関してです。YAPCを実施しているJapan Perl Associationの牧氏は、同Associationに所属の櫛井氏と主に2人でカンファレンスを切り盛りしており、「わいわい盛り上げ担当」と「じっくり裏方担当」という切り口で役割を分担しているとのことでした。ちなみに牧氏は後者で、予算の管理やイベント会場の手配、関係者への連絡といった調整などを担っているそうです。牧氏によれば、「企画を担当する櫛井がのびのび発想できるよう、”陰でしっかり支える”ことが自身の役割」とのことで、適材適所で役割をまっとうすることが、これまで実施したカンファレンスの成功につながったと強調していました。
また、日本UNIXユーザ会やLLイベントを運営する法林氏は「自分自身は技術者ではなくコードをがりがり書くわけではないけれど、技術者じゃないからこそ貢献できた部分がある」と断言。法林氏は2012年に日本OSS推進フォーラムから”第7回日本OSS貢献者賞”を受賞したほどの業界の立役者で、OSS関連イベントの開催を継続的に続けOSSの啓蒙に大きな役割を果たしてきたことが受賞理由でした。実は私自身も正真正銘のエンジニアというわけではないため、法林氏が「開発者と違う志向を持った人が運営に必要」「違う志向の人が入ることで取り組みに厚みと広がりが生まれる」と熱く発言したことには非常に感銘を受けました。
余談ですが、法林氏によれば「運営に向いているのは、水の星座のかに座、さそり座、うお座」とのこと。なんと事前打合せに来ていた8人のうち、6人が当てはまっていたため、その場は大いに盛り上がりました。司会の今津氏に加え、コアメンバーとして運営経験のある中でただ1人当てはまっていなかったのが、今回のカンファレンスカンファレンス運営を指揮していた保坂氏。「みずがめ座って水の星座っぽいのに…違うんですね」と残念そうにしていました。
カンファレンスをどう続けていくか
今回のカンファレンスカンファレンスでは、カンファレンス主催者同士の横のつながりを作ることに加え「カンファレンス運営に興味のある人が今後運営に参加してくれるよう巻き込む」ということも目的の一つでした。このカンファレンスカンファレンスを通じて、参加者として有意義だと感じたカンファレンスに運営メンバーとして加わることのおもしろさを伝えたいという強い気持ちがあります。
実はカンファレンス運営において、運営側の世代交代をどうスムーズに進めるかということは共通の課題です。既存の運営メンバーの受け入れ態勢を整えるといったことももちろんですが、興味がある方が協力を申し出てくれることに対して、どのカンファレンス主催者も歓迎していることは間違いないです。
カンファレンスカンファレンス自体の今後
実はカンファレンスカンファレンスについては、初回の構想の段階から「2回目、3回目と今後も継続的に実施できるように進めていこう」という運営側の考えがありました。カンファレンス運営は一朝一夕でうまくできるようになるものではなく、試行錯誤の上に成り立っているということ、継続することで会の影響力を広げていくことができるということを実際のイベント運営を通じてメンバー全員が実感しているためです。
イベント申込サイトの選定やチケットの販売方法、外国人を呼ぶときのノウハウ、プログラム選定など、イベントの実施に必要な要素はもちろん、カンファレンス実施の意義や主催者としての想いや今後の展望までカバーし、日本における技術系カンファレンス全体を今後さらに盛り上げたいと考えています。
まとめ
本記事では、カンファレンスカンファレンスを実施するに至った背景、事前打合せなど開催前の裏話、カンファレンスカンファレンスの今後など、運営側の目線での開催レポートをお届けしました。
初めてのカンファレンスカンファレンス開催を通じ、カンファレンス主催側の悩みや工夫が共有できたことはもちろん、これからカンファレンスを新しく開催したい、積極的に協力したいといった方との交流する場を持つことができたことは、今後につながる大変実りあることでした。ご参加くださったみなさんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。そしてなによりも、運営側として携わった各カンファレンス主催のみなさんが、惜しげもなく各カンファレンスの裏側を共有してくださったことで、この会がとても意義あるものとなりました。
カンファレンスカンファレンスのパネルディスカッションで、PyCon JPの清水川氏が「カンファレンスに参加することで、交流がはかれる、直接質問ができる、熱気を直に感じられるといったことを体験してもらえます」とその価値を力強く語っていた”生”の交流があったと実感しています。
なおカンファレンスカンファレンスの内容自体に関しては、前出の「技術系イベント運営の知見が集結~「カンファレンスカンファレンス」参加者レポート」をぜひご覧ください。運営の動機や参加者の歩留り問題、資金集めの模索を始め、さまざまなトピックに関する各主催者の意見を読んでいただけます。


