ズーム機能で対応するとこうなる
(※サンプルファイルの「CZ1311Zoom」に対応)
こんなときはMultiTouchのGcZoomコンポーネントや、GcApplicationZoomコンポーネントを使いましょう。
ツールボックスへの追加
ツールボックスに「GrapeCity.Win.MultiTouch」名前空間のコントロールを追加します。
フォームエディタへの配置
ツールボックスに追加できたら、GcZoomコンポーネントをドラッグ&ドロップでフォームエディタに配置します。
プロパティの設定
Windowsフォームのサイズ変更に伴い、中のコントロールや文字サイズを変更するために、GcZoomコンポーネントのInnerPanelLayoutModeプロパティを「MiddleCenter」に変更します。
自動拡大コードの記述
高DPI化に応じて自動的にフォームを拡大するために、LoadイベントでGcZoomコンポーネントのZoomFactorに拡大率を設定します。
Public Class MainForm Private Const BaseWidth As Integer = 1366 Private Const BaseHeight As Integer = 768 Private Sub Form_Load(sender As Object, e As EventArgs) Handles MyBase.Load Me.Width = Me.Width * My.Computer.Screen.Bounds.Width / BaseWidth Me.Height = Me.Height * My.Computer.Screen.Bounds.Height / BaseHeight GcZoom1.ZoomFactor = Math.Min(My.Computer.Screen.Bounds.Width / BaseWidth, My.Computer.Screen.Bounds.Height / BaseHeight) End Sub End Class
実行例
コンポーネントを張り付けてプロパティを2つ変更しただけですが、さっそく実行してみましょう。
1366x768でも1920x1080でも同じ見た目の大きさになりました。この対応を行えば、少なくとも同じ液晶サイズの機器の間であれば、画面解像度が変わっても同じ見た目を維持できることになります。
これで「新しいPCにしたらアプリが小さく表示されて、文字が読みづらくて使いにくい」というようなこともなくなります。
まとめ
「対応にここまで手間をかけないといけないのか?」
高DPI対応のように、機能追加系ではない改修を行う提案に対してよく聞かれる言葉の一つです。しかしながら、この言葉には1つの大きな示唆が含まれています。この言葉を聞かずに済むようにするには、
- コンポーネントを使わずに対応しない
- コンポーネントを使って手早く対応する
上記のどちらかの選択が必要になります。
そしてどちらの選択がより良い結果をもたらすかも、今回のサンプルから推測できるのではないでしょうか。もちろん、開発の優先順位や予算の問題もあるので、後者を選択できないケースも考えられます。ただ、1つ言えるのはこの2つ以外の選択肢、例えば、
「コンポーネントを使わず手作業で苦労して対応する」
この選択肢では誰も幸せになれないことも明白だといえるでしょう。
結果的に生産性にも影響する可能性がありますので、ぜひ、目に優しいアプリの検討をしてみてはいかがでしょうか。