東京のクライアントから各リージョンのEC2間のファイル転送速度
こちらは想定通り、距離の影響をうけて転送速度がリージョンごとで異なる結果となりました。
オンプレミス環境からAWSリージョンまでのファイル転送は、回線の混雑状況、インスタンスタイプなど、さまざまな要因で速度低下が起こりますが、距離に応じて遅延が増える環境では、SCP(TCP)でのファイル転送は速度が出ず、高速転送プロトコルの有効性は確認できました。
EC2とEBSのネットワーク仕様について
本題から少しそれますが、ここでEC2とEBSのネットワーク仕様について触れたいと思います。
まずEC2ですが、インスタンスタイプによってネットワークのパフォーマンスが異なります。c3.8xlargeなどの一部のハイスペックインスタンスは、ネットワークパフォーマンスが「10ギガビット」と明示的に示されています。それ以外の大部分のインスタンスは、「高」「中」「小」という表記で、具体的な数値では示されていません。
ちなみに今回使用したm1.mediumは、「中」です。
次にEBSですが、EC2とはネットワークで接続されていてデフォルトだとEC2とネットワークの帯域がシェアされています。従って今回のようなファイルを送り続ける検証の場合、EC2インスタンスが外側からのトラフィックを受けつつ、同じネットワークを使用してEBSに書き込む形です。
ベンチマークを取得する際は、この辺りの仕様や設定が大きく依存しますので参考として提示します。
まとめ
- AWSリージョン間は大幅に速度が改善
- オンプレミスとAWS間は、距離があるリージョンは速度低下が発生
- 第2項で速度低下があったリージョンは、高速転送プロトコルで速度改善がみられ有効性を確認
AWSリージョン間でのEBS SnapshotやAMIの転送が可能となっている現在では、むしろ(今この段階でも)速度は改善されています。恐らく今後、AWSはリージョン間でのデータ転送に、より力を入れてくるのではないでしょうか。
SCPにおけるオンプレミスとAWS間のファイル転送については、TCPの仕様通りの結果といえばそれまでです。しかし、オンプレミスの構成やラストワンマイルなど、さまざまな点が影響します。そのため、AWSに限らず、クラウドでは当然ながらコントロールができない部分です。
この課題については、高速転送プロトコルでの有効性が確認できました。とはいえ前述したとおり、近年はデータ容量も増加し、さらにはクラウドの拡大によってグローバルでの展開も容易になってきています。だからこそ、高速転送プロトコルやそれがもたらすコネクティビティというのは、エコシステムにとって重要なポイントになっていくことでしょう。
参考資料
CLOUD CONNECTについては、以下のページを参考にしてください。
- CLOUD CONNECT Webサイト
- 『クラウド連携でワークフローの高速化を実現? 「クラウドコネクト」で広がる可能性』(データホテル広報ブログ)





