ハイブリッド開発プラットフォーム「Worklight」で
快適かつスピーディーなアプリ開発を実現
そこで、ハイブリッド開発の快適なプラットフォームとして日本IBMが提供している製品が「Worklight」である。「IBM Worklight Studio」はEclipseをベースに、「Android Studio」「XCode」「Visual Studio」のプロジェクトとしてマッピングされる。また、OSSライブラリーにも対応しており、jQueryやApache Cordova APIのほか、UIとしてjQuery Mobile、Dojo Mobile、Sencha Touchなども使用可能。これらは、今後フロントエンド開発者に求められるスキルだろう。サーバーサイドのロジックはRhino JavaScriptコンテナーで稼働し、そしてAngularJS、Backbone.jsなどでMVCに対応していく。
佐々木氏は「HTML5だけでがんばろうとしないこと」が重要とし、Cordova APIとWorklight APIで足りない分はネイティブのカスタム開発で補い、既存コードやOSSライブラリー、画面などを再利用することをポイントとして挙げた。
なお、WebViewでデバッグする際、iOS 6、Android 4.4以上では、ブラウザーのリモートデバッグを使用できるが、それ以前のiOS、Androidを含め、WorklightはここにWorklight Studio開発環境で動く個別のデバッグツール「モバイル・ブラウザー・シミュレーター(MBS)」を提供する。MBSはCordova用のイベントを起こさせるデバッガーであり、ブラウザー上でアプリケーションのプレビューやテストを行うことができる。複数デバイスのシミュレーター画面を並べて見られる点も特徴で、これまでのエミュレーター、シミュレーターに比べて確認作業が大幅に効率化される。
また、マルチ開発に対応したロガーであり、Worklight APIでOSコンソールへ出力することができる。サーバーへのクラッシュログを送信するため、問題判別やエラー機器の早期発見も可能だ。こうした地味ながら快適な機能が「Web開発のように快適な」アプリ開発を実現するという。
実機とWebアプリのモバイルテストの自動化も大切だ。1つの端末の操作記録を他機種の端末で自動再生する機能が、複数の端末やOSのアップデートに伴うテスト作業を軽減。短いサイクルでの開発を支援する。
また、サーバーサイドも重要なポイントだろう。「Worklight Server」は、ユーザー認証管理やデータストア、プッシュ通知など汎用的機能をAPI、SDKとして利用することで、効率よくアプリを開発できる。ここにWorklight Serverはクラッシュログの収集やデバイスごとのサービス提供、アップデート管理などの機能を提供する。
そして、セキュリティーについては、Worklightはアプリケーションレベルのセキュリティーと管理を提供する。アプリケーションの改ざん防止として自動更新や利用制限、アプリケーション管理(MAM)などを行うほか、MDM(Mobile Device Management)対象外のときには、オフラインデータの暗号化やデバイス紛失時のサービス停止などを、アプリケーション単位で実現するという。
最後に佐々木氏は、Cordova(PhoneGap)とIBM Worklightの比較表を示し、こうした機能を積み上げて快適なプラットフォームとする「MEAP」(Mobile Enterprise Application Platform)の有用性について、「IBMはもちろん、様々な企業のこれまでの開発ノウハウが集約されており、それを流用できること」と語った。そして「WorklightのDeveloper Editionは無期限で無料。ぜひこうしたMEAPを利用して、開発速度を上げてほしい」と結んだ。
時間がない中、デモンストレーションの時間が割愛されてしまったのが惜しまれるが、無料ハンズオンセミナーも随時行われているという。興味をもった方は参加するとよいだろう。
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