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実践ユーザビリティーテスト

ユーザーの操作は発見の宝庫! ユーザビリティーテストでユーザー視点に立った開発をしよう

実践ユーザビリティーテスト 第1回

ユーザビリティーテストで何がわかるのか ~2つのシナリオから

 ユーザビリティーテストで何が観察できるのか、Webサービスを利用していて出会いそうなシナリオを見ながら考えていきましょう。

ケース1:ブログサービスで記事のカテゴリーの並び替えを行う

 ブログサービスを利用してブログを書いている。ブログの記事カテゴリーの並び順は50音順でしか表示ができなかったのだが、自由に並び替えをすることができるようになったようだ。

 さっそくカテゴリーの並び替えを行った。並べ替え自体はスムーズに行うことができた。

 しかし投稿画面から、記事を作成してカテゴリーに属させようと思った時に、カテゴリーの並び替えが反映されていないことに気づいた。カテゴリーの並び替えをするための画面と、表示を行うための画面にいって確認を行ったが、並び替え自体はうまくいっているようだ。記事を作成するページではカテゴリーの並び替えが反映されていない。

 投稿画面のカテゴリー選択では、カテゴリーがどの順番に並んでいるかがわからず、カテゴリーを設定するのがとても大変だ。この作業を、記事を作成する際に毎回しなくてはいけないのか。

不満に思うユーザー
不満に思うユーザー

 このユーザーは、カテゴリーの並び替えという機能自体は嬉しいものだったのに、全体としては不満を感じています。

 これでは、ユーザーから「カテゴリーの並び替え機能において、コンテンツの新規作成画面では並べ替えが反映されない」という不具合報告がされるでしょう。このバグがIssueに登録されたとしても、閲覧のためには機能は問題なく動いているし、コンテンツの作成/編集にも問題がないため、改修の優先度が低く設定されることが予想されます。しかし、ユーザビリティーテストで実際にこの現象を観察すると、改修の優先度が高く設定されるのではないでしょうか。単一のバグとしては小さなバグですが、ユーザーの操作の流れの中ではインパクトの大きいバグだからです。

 ユーザビリティーテストを行うことによって、ユーザーの満足度を上げるためにやるべきことの優先順位をつけていくことができます。

ケース2:ネットショップサービスで商品を初めて出品する

 ハンドメイドでアクセサリーを作っている。今までは知り合いのお店に置かせてもらって販売をしていたが、インターネットを使えばもっとたくさんの人に販売ができることを知った。インターネットにはあまり詳しくないので、ネットショップを簡単に作成できるサービスを利用した。

 会員登録が済み、商品を出品するために商品の登録ボタンを押した。すると、「事業者情報を登録する」という画面が表示された。商品を出品するための画面ではなさそうだ。

 ボタンを間違えたかと思ったので、前の画面に戻って、よく確認しながら「出品する」ボタンを押したが、やはり同じ画面が表示されてしまう。不安に思いながら事業者情報を登録すると、商品の登録画面が表示された。なんのための画面なのかがわからなかったので、もう一度前の画面に戻ってから「出品する」ボタンを押した。今度は出品するための画面が最初に表示された。さっきの画面は一体なんだったのだろう。なぜあの画面が表示されたのかすっきりしないまま、商品の登録作業を行った。

戸惑うユーザー
戸惑うユーザー

 このユーザーには、大きな不安感を与えてしまいました。「商品を出品しよう!」というモチベーションを下げてしまったかもしれません。

 開発者は、商品の出品時、必須の情報が登録されていない場合に、画面遷移させずにその場で必須の情報ができるような改善を行ったつもりでした。画面上には「出品のためには以下の情報の入力が必要です」と書かれていたかもしれません。しかし、ユーザーが意図したとおりに画面を見てくれるとは限りません。クリック数を少なくする、画面遷移をなくすというと、一見、ユーザーのために、ユーザビリティーを向上させるために、と見えるかもしれませんが、逆にユーザーの混乱を招いてしまう場合があります。

 ユーザーのために行った改善が、意図通りに動いているかどうかを、ユーザビリティーテストによって検証することができます。

次回

 ユーザビリティーテストを実施して得られることのイメージは湧いてきたでしょうか。使う側からの視点で語られることは発見に満ち溢れています。

 次回は、ユーザビリティーテストを行う2つのステップ、「設計」「実施」について具体的な流れを説明していきます。

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この記事の著者

鈴木 侑(スズキ ユキ)

1986年生まれ。ソフトウェアメーカー、ITベンチャーにて、UIおよびUXデザイン、ユーザビリティー調査での実務経験を詰み、2013年にフリーランスとして独立。Webサービスやモバイルアプリのデザインを専門に、デザイン業の受託を行っています。2014年に東京高円寺にあるコワーキングスペース、こけむさズに参画。人生のテーマは、人の生活をちょっと幸せにしたい。Web:おにぎりたまごうぃんなーTwitter:@s12bt

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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