アプリケーションの利用状況の測定
重要になるアプリケーションのアナリティクス
モバイルを含むマルチデバイスアプリケーション構築で、もう一つカバーしておかなければならないのは、アプリケーションの利用状況の分析、すなわちアナリティクスです。アナリティクスといえば、少し前まではGoogle AnalyticsによるWeb解析のことを指していました。しかし、Googleも、そして先日にはAppleもモバイルアプリに対するアナリティクスサービスをスタートしています。
アプリケーション供給側にとって、これまでユーザーがどのようにアプリケーションを利用しているかを、実データによって収集という考えはあまりありませんでした。しかし、デバイスが多様化し、利用形態も変わってきている昨今、どのようにアプリケーションを利用しているか、そしてどこを改善すればよいかといった情報を得ることはとても重要です。
マルチデバイス対応のAppAnalytics
RAD Studioでは、新たにAppAnalyticsというアナリティクス機能が利用できるようになりました。この機能がユニークなのは、モバイル向けだけでなく、デスクトップやサーバーサイドにも使えること、そして、Android、iOS、Windows、Mac OS Xのマルチデバイス対応であることです。
ここでもコンポーネント技術によって、簡単なドラッグ&ドロップ操作とわずかなプロパティ設定だけで、アプリケーションを利用しているOSなどのプラットフォーム情報、起動回数、特定のメニューやコントロールを選択した回数などの情報、さらには、フォームの遷移などのフロー情報を得ることができます。
例えば、プラットフォームによって利用されるメニューの頻度が異なることが分かれば、UIの設計の差によってメニューが見つけにくいのか、プラットフォームごとの利用形態の差によるものなのかを調査できます。また、頻繁に利用される機能に、開発リソースを多く投入したり、使われない機能にリソースを過剰投入しないように調整したりすることもできます。例外の発生も記録できるので、特定のプラットフォームでのみエラーが起きるといった情報を得ることも可能です。
AppAnalyticsのアナリティクス情報は、すべて匿名情報として収集されるので、特定のユーザーの行動をトレースするといった利用はできないようになっています。
まとめ
ITをとりまく情報は大きく変わっています。マルチデバイス、クラウド、IoT。これらが、「つながる」ことで価値をもたらすアプリケーションの開発を要求しているのです。
私たちエンバカデロは、「つながるプラットフォーム」というキーワードで、ソフトウェア開発者の生産性向上に寄与しています。その中で特に注意しているのは最新のテクノロジーを駆使する際でも、これまでのプログラミングスタイルのままで行えるようにするということです。「過去を捨てずに未来へ」。この考え方で、新しい技術に立ち向かっていこうと考えています。
関連情報
講演ビデオ
マルコ・カントゥ氏の講演の様子は、YouTubeのビデオでご覧いただけます。