なお、本連載ではAngularJSそのものに関しては解説しませんので、専門書として『AngularJSアプリケーションプログラミング』、姉妹連載「AngularJSではじめるJavaScriptフレームワーク開発スタイル」などを併せて参照してください。
はじめに
第2回である今回は、前回に引き続き、入力生産性の高いフォームを実装するために役立つ、以下のライブラリについて解説します。
- UI Bootstrap(Rating):レーティングバーを作成
- Angular Elastic:テキスト量に応じて伸縮するテキストエリアを作成
- Angular Slider:スライダー/範囲スライダーを作成
- Angular Bootstrap Colorpicker:カラーピッカー付きのテキストボックスを作成
- ngTagInput:タグ入力ボックスを作成
対象読者
- AngularJSについて基本的な概念を理解している方
- AngularJSで利用できる拡張モジュールに興味がある方
- AngularJSアプリの入力生産性を改善したいと考えている方
検証環境
この記事では、以下の環境でサンプルの動作を確認しています。
- AngularJS 1.4.3
- UI Bootstrap 0.13.2
- Angular Elastic 2.5.0
- Angular Slider 0.2.14
- Angular Bootstrap Colorpicker 3.0.18
- ngTagInput 3.0.0
- Chrome 44
- Firefox 39
- Internet Explorer 11
レーティングバーを設置したい - UI Bootstrap(Rating)
レーティングバーとは、Amazon、Google Playなどのショッピングサイトでよく見かける評価のための入力/表示バーです。一般的には、1~5段階の評価をスターのオンオフで表現します。
このようなレーティングバーを実装するのが、UI BootstrapのRatingディレクティブです。UI Bootstrapは、Bowerを利用することで、以下のコマンドでインストールできます。
> bower install angular-bootstrap bootstrap
では、具体的な例を見ていきましょう。
<!--(1)Bootstrap/UI Bootstrapをインポート --> <link rel="stylesheet" href="bower_components/bootstrap/dist/css/bootstrap.min.css" /> <script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script> <script src="bower_components/angular-bootstrap/ui-bootstrap-tpls.min.js"></script> <script src="scripts/rating.js"></script> ...中略... <!--1. レーティングバーを設置--> <rating ng-model="current" max="upper" ></rating>
// (2)ui.bootstrapモジュールへの依存関係を宣言 angular.module('myApp', ['ui.bootstrap']) .controller('MyController', ['$scope', function($scope) { $scope.current = 3; // 初期値 $scope.upper = 5; // 最大値 }]);
UI Bootstrapを利用するには、UI Bootstrap(ui-bootstrap-tpls.min.js)とともに、Bootstrap本体(bootstrap.min.css)もインポートしておきます(1)。また、アプリモジュール(myApp)からはui.bootstrapモジュールへの依存関係を宣言して、UI Bootstrapを有効化します(2)。
あとは、<rating>要素(ディレクティブ)をページに配置して、必要なパラメーターを設定すれば完了です(3)。最低限、レート値を格納するng-model属性は必須です。
属性 | 概要 | デフォルト値 |
---|---|---|
ng-model | 現在のレート値を格納する変数 | (必須) |
max | レート値の最大 | 5 |
readonly | 読み取り専用か | false |
on-hover | マウスポインターがレーティングバーに乗った時の処理 | - |
on-leave | マウスポインターがレーティングバーから外れた時の処理 | - |
state-on | 選択状態に利用するアイコン | - |
state-off | 非選択状態に利用するアイコン | - |
state-on/state-off属性を利用することで、レーティングバーのアイコンを差し替えることもできます。指定しているのは、Bootstrapで提供されている標準のアイコンです。
<rating ng-model="current" max="upper" state-on="'glyphicon-ok'" state-off="'glyphicon-remove'"></rating>