リクルートテクノロジーズは今年8月、ITエンジニア530名を対象に同社が実施した「モチベーション管理」に関するアンケートの結果を発表した。このアンケートは、日本国内のITエンジニアがどのような環境にモチベーションを感じるかを知るとともに、実際にモチベーションアップに有効な行動を把握することを目的として実施された。
アンケートの調査概要は次のとおり。Q3とQ4は自由形式になっている。
調査方法 | インターネットリサーチ |
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実施期間 | 2015年8月7日(金)~2015年8月11日(火) |
調査対象 | 居住地: 全国 |
性別: 男女 | |
年齢: 20代~40代 | |
職業: ITエンジニア | |
人数: 530サンプル(男性332名、女性198名) ストラテジスト17名/システムアーキテクト55名/プロジェクトマネージャ61名/ テクニカルスペシャリスト212名/サービスマネージャ61名/その他124名 ※職種の分類は、独立行政法人 情報処理推進機構が定める「共通キャリア・スキルフレームワーク」に基づく。 |
■設問
Q1:普段の業務の中で、自分のモチベーションに波があると思いますか。(n=530)
とてもそう思う/まあまあそう思う/どちらともいえない/あまりそう思わない/まったくそう思わない
Q2:あなたのモチベーションを左右する環境について、上位3つを教えてください。(n=530)
専門性を突き詰めていくことができること/一人ひとりが裁量権を持って仕事に取り組んでいること/役割分担が明確に決まっていること/開発に集中できる環境が整っていること/労働時間や働き方に自由度があること/人材を育成していく風土があること/所属しているエンジニアの能力のレベルが高いこと/専門性を理解し評価してくれる上司がいること/人間的に尊敬できる上司・メンバーがいること/その他/特になし
Q3:これまでの経験で業務に対するモチベーションが最も上がった時のエピソードを教えてください。(n=530)
Q4:モチベーションが下がった時にできる、おすすめの対処法を教えてください。(n=530)
「Q1 業務のなかで、自分のモチベーションに波があると思うか」に対して、「とてもそう思う」「まあまあそう思う」を選んだ回答者は、男女問わず70%前後と高い結果を残した一方、「Q2 モチベーションを左右する環境の上位3つ」に対しては、男女で大きな差が現れた。
モチベーションを左右する環境の第1位は、男性では「専門性を追求できること」、女性では「人間的に尊敬できる上司・メンバーがいること」であった。下記のQ2の回答結果を表したグラフからは、男性は各人が裁量権を持ち、開発に集中できて、自己のスキルを向上できる環境を求める方向に偏っていることがうかがえる。一方、女性は尊敬できる上司やメンバーの存在、労働時間や働き方の自由度、人材を育成する風土といった、企業文化を重視する傾向があるといえる。
おもしろいのは、「所属しているエンジニアの能力のレベルが高いこと」を選んだのは女性が多く、「専門性を理解し評価してくれる上司がいること」を選んだのは男性が多いことだろう。自己のスキル向上に偏りがちな男性では「所属しているエンジニアの能力のレベルが高いこと」が多くなりそうなものだが、結果はその逆。男性にとって、専門性の追求とその評価は表裏一体なのかもしれない。
具体的な「Q3 モチベーションが最も上がった時のエピソード」については、「他者からの評価」や「技術へのチャレンジ」に関連したコメントが見られたと、リクルートテクノロジーズは述べている。特に「技術へのチャレンジ」については、最新の技術を要求されることや、興味のある領域の技術であることなど、扱う技術が「やりがい」に直結するといった、「職人」にも通じるようなITエンジニアならではのコメントが多かったという。
逆に、「Q4 モチベーションが下がったときの対処法」について聞いたところ、「気分転換」「早く帰って寝る」など、一度業務から離れる対処法が見られた一方、「技術の勉強」や「技術調査」など自己研鑽するというコメントも多かったようだ。「ITエンジニアならではの対処法」とリクルートテクノロジーズでは述べているが、Q1で男性の第1位になった「専門性を追求できること」と重なることからもうなずけよう。解答例として挙げられたコメントも、男性からのものが回答者の男女比を超えて多い。
ITエンジニアの確保にどの企業も苦心しているといわれる現在、男女を区別して採用する余裕はないように思えるが、今回の調査結果は、企業が採用応募者にアピールするときに役立つかもしれない。
【関連リンク】
・リクルートテクノロジーズからの発表
・リクルートテクノロジーズ
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