本連載の書籍化について(2018年5月追記)
本連載は、加筆・再構成およびAndroid Studio 3対応を行い、書籍化しています。最新情報については、こちらもぜひ併せてご参照ください。
対象読者
- Androidアプリ開発未経験な方
- Java言語は一通り習得済みである方
フラグメント
今回は、サンプルの作成に入る前に、フラグメントとは何かを説明していきます。
前回までのサンプル
前回まで使用したサンプルはスマホを前提としたものでした。例えば、第7回で作成した「画面遷移アプリ」(IntentSample)を10インチタブレットで使用すると、以下のような画面になり、非常に使いづらいものになります。
大画面タブレットはスマホとは違う画面構成が必要になります。一方で、画面サイズに応じて別のアプリを作成するのは非効率ですし、ユーザビリティも下がります。
Androidでは1つのアプリで画面サイズに応じてレイアウトを変える仕組みとして、フラグメントというのがあります。フラグメントを利用すると、同一アプリがスマホではリスト画面+注文完了画面の2画面構成となり、10インチタブレットでは、左側にリスト、右側に注文完了、のように1画面で表示させるようにできます。
今回と次回の2回に分けて、IntentSampleをこのように改造しながら、フラグメントの基礎を解説していきます。そのうち今回は、スマホ端末でIntentSampleと同等の動きをフラグメントを使って実現できるところまでコーディングしていきます。次回は、それを10インチで分割表示できるようにします。
フラグメントとは
さて、図2の画面構成を考えてみましょう。図2では下図のように、左側にリスト表示のブロックが配置され、右側に注文完了表示のブロックが配置されています。
リストブロックは、もともとスマホサイズでは第1画面として表示されていました。一方、注文完了ブロックはスマホサイズでは第2画面として表示されていました。つまり、画面=アクティビティとしては1つでも、その中に独立した画面ブロックが配置された状態です。
このように、画面の一部を独立したブロックとして扱えるのがフラグメントであり、アクティビティ同様に画面構成を担うxmlファイルと処理を担うJavaクラスのセットで成り立っています。