東京初の「Hadoop Summit」開催、キーノートにHortonworks 最高戦略責任者が登壇
東京で初の開催となった「Hadoop Summit」。オープニングキーノートでは、最初にHortonworksのジョン・クレイサ氏が壇上に登場。「Hadoop Summitはコミュニティのためのコミュニティによるセッション。ソフトウェア開発者はもちろん、技術を使うユーザー、ビジネスを推進する人など、すべての人に楽しんでいただけるイベント」と語り、開会を告げた。今回のHadoop Summitでは48セッションが行われ、実際には205人以上からセッションの申込みがあったという。今、最も注目が集まっているイベントのひとつである。
クレイサ氏の呼び込みで、最初に登壇したのはHortonworksの最高戦略責任者であるシャウン・コノリー氏。Hortonworksはエンタープライズ向けにオープンなデータプラットフォームを開発、販売、サポートするITベンダーで、Apache Hadoop、Apache NiFi、Apache Sparkなどのオープンソースコミュニティで、イノベーションを起こすことに注力している。
コノリー氏は「データがいかに事業・企業を変革しているのかについて話したい」と語り、講演をスタートさせた。「アナリストによると約64%の企業がビッグデータに投資をしており、31%の企業が1ペタバイトのデータを管理することを期待している。しかしその一方で、88%のデータがまだ管理できていないという報告がある」と説明する。
さらにここ2年の間で、IoTにより、膨大なデータが日々、生み出されている。11億というデータポイントが日々センサーによって生まれ、世界中で25億ギガバイトのデータが生成されている。このようにIoTの普及により、「データ量は爆発的に増えている」とコノリー氏は語る。
例えばプログレスという米国の自動車会社では、100億マイルのドライビングデータを蓄積。またWebtrendsというデータ分析会社では、毎日130億というイベントを分析している。このように企業は大量のデータに埋もれている状態になっている。だからこそ、「企業は価値を生み出すようデータを扱っていくかが大事になる」とコノリー氏は語るのだ。
しかしながら、メインフレームやRDBなどのこれまでの技術では限界があるという。というのも既存のシステムは構造的なデータを探すのに適しており、しかもサイロ化されているため「アクセスが限定されてしまう」とコノリー氏は指摘する。洞察を得る前に時間がかかってしまうというわけだ。したがってこれからのシステムは「ユーザー中心のコネクテッド・データ・アーキテクチャにシフトしていく必要がある」と言い切る。そういう仕組みにすることで、IoTやクラウドなどと連携できるようになる。「こうすることであらゆるデータを1つのビューで見ることができるようになる」とコノリー氏は言う。