コカ・コーラ、三菱ふそうのデータ活用
最後はコカ・コーライーストジャパンのコントレラ氏と三菱ふそうトラック・バスのスピッツアー氏によるパネルディスカッションが行われた。モデレータを務めたのはクレイサ氏である。
コントレラ氏が所属するコカ・コーライーストは、3年前に5社が統合して設立された。そして5つの異なる情報システムの統合を担当したのが、コントレラ氏で、Hadoopの実装も行ったという。一方の三菱ふそうのスピッツアー氏は、ダイムラーのアジアにおける共通プラットフォームの構築を担当した。
なぜ、両社はHadoopを使い始めたのか。三菱ふそうのスピッツアー氏は「トラックを使うことがお客様のコストにならないような仕組みを提供したいと思い、活用を始めた」と答える。現在、ダイムラーではテレマティクスのデバイスをトラックに搭載してHadoopを活用してライブデータを収集し、故障を予測することを行っているという。一方のコントレラ氏も「データをより活用できるようにしたいと思い、Hadoopを導入することにした」と答える。同社でのHadoopの最初のユースケースは日本国内に約55万台設置されている自動販売機の充填予測。この時期にこの場所ならどのくらいの消費になるのか、予測して、効率的な物流につなげていきたいというのだ。
またデータ活用により、サービスやビジネスに変革が起こっているのかというクレイサ氏の問いに、両社とも変革が起こっているという。「トラックから取得するデータを我々はビジネスのために活用していこうとしている。例えば部品には天候によって左右されるものもある。その実態が把握できることで、ビジネスに貢献できるようになった」(スピッツアー氏)。「これまでデータソースが分断されており、それぞれが見え方も違っていたが、ようやくHadoop導入プロジェクトを通して、すべてのデータを1つのインスタンスに統合し、見えるようにした」(コントレラ氏)。
さらにコカ・コーライーストではHadoopのメリットを最大限に生かすために、Apache NiFiも導入しているという。Apache NiFiはまだ未成熟だが、「コネクタも整備されつつある」とコントレラ氏。一方の三菱ふそうでは、1分ごとに流れてくるトラックのセンサデータの処理をApache Stormで行っている。このように両社ではHadoop関連のビッグデータエコシステムを活用し、ビジネスの変革に着手している。
パネルディスカッションの締めは、Hadoopの導入を検討している人へのアドバイス。「Hadoopを導入することで、意思決定をサポートするシステムが構築できることを、ステークホルダーに理解してもらうこと。そしてデータが日々のビジネスが抱える問題のどういうことを解決できるのか説明することだ」(スピッツアー氏)、「Hadoopは魔法のツールではない。何を期待して導入するのか、その目的を明確にすることが第一に行うことだ」(コントレラ氏)。
今回、キーノートに登壇した企業は、それぞれ個別セッションも行っており、この時間はその概要の紹介のみ。しかしいろいろなデータを取得できる今、それをうまく活用することで事業を変革したり、新たなサービスを生み出したりできる。そのデータ活用基盤としてHadoopの有用性が示された、そんな1時間となった。
