ビッグデータと人工知能の利用が当たり前になりつつある今、その基礎技術となる機械学習は開発者にとってもはや最低限の素養とさえ言えます。まだ知識が追いついていない方に、R言語で機械学習を実装するための基礎が学べる『Rによる機械学習』をおすすめします。
『Rによる機械学習 12のステップで理解するR言語と機械学習の基礎理論と実装手法』は、翔泳社が3月2日(木)に刊行した初心者のための機械学習解説書です。
人工知能の基礎技術である機械学習は、もはやどんなプロダクトを開発するうえでも欠かせない技術となってきました。「知らなくてもよかった」が「知っていることが最低限」になりつつあるのです。
しかし、いきなり人工知能や機械学習、アルゴリズムだと言われても、そもそもどうやって学べばいいのか、実装に至る前に挫折してしまいかねません。
本書では統計プログラミング環境であるR言語を用いた機械学習を学ぶことができます。なぜR言語なのか。機械学習とは膨大なデータから統計学的な手法で価値ある情報・知恵を見つけ出すことであり、そのための分析・解析手法はR言語がぴったりだからです。
とはいえ、数式やアルゴリズムを使い倒して解説はしていません。がん細胞の識別、スパムフィルタリング、レコメンドシステムなど実際に使われている機械学習アルゴリズムを例にし、データを操作しながら説明します。
著者のブレット・ランツが言うように、「数学やプログラミングの基礎を少し知っていれば役に立つだろうが、あらかじめ必要とされる知識はない。好奇心だけがあればよい」のです。
R言語もしくは機械学習の知識が少しあるような初心者はもちろん、一度諦めてしまった方にもおすすめしたい1冊です。
目次
第1章 機械学習入門
第2章 データの管理と把握
第3章 遅延学習 ─ 最近傍法を使った分類
第4章 確率的学習 ─ 素朴ベイズを使った分類
第5章 分割統治 ─ 決定木と分類ルールを使った分類
第6章 数値データの予測 ─ 回帰法
第7章 ブラックボックス的な手法 ─ ニューラルネットワークとサポートベクトルマシン
第8章 パターンの検出 ─ 相関ルールを使った買い物かご分析
第9章 データのグループの検出 ─ k平均によるクラスタリング
第10章 モデルの性能の評価
第11章 モデルの性能の改善
第12章 機械学習の専門的なテーマ
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
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