lprmコマンドは、JOB
に指定したジョブ番号の印刷ジョブ、またはUSER...
に指定したユーザのすべての印刷ジョブを取り消します。ただし、権限のないユーザの印刷ジョブの取り消しはできません。権限があるとは、その印刷ジョブに対する所有権を持つか、またはグループ所有権を持つ場合を指します。
at、batch、crontabのコマンドによってスケジュールされたコマンド群をジョブといいます。
OS(ジョブ管理機能)はこれらのジョブに管理のための番号を付けます。これをジョブ番号といいます
- ① -Pprinter
- 「printer」に指定したプリンタの印刷ジョブを取り消します。省略した場合は、デフォルトプリンタ(環境変数「PRINTER」)の印刷ジョブを取り消します。「-P」と「printer」の間にスペースは必要ありません。
- ② -
- 一般ユーザがこのオプションを指定した場合は、そのユーザが要求したすべての印刷ジョブを取り消します。スーパーユーザがこのオプションを指定した場合は、すべての印刷ジョブを取り消します。
- ① JOB...
- 印刷処理を取り消す印刷ジョブのジョブ番号を指定します。複数の印刷ジョブを指定する場合は、ジョブ番号をカンマで区切って指定します。
- ② USER...
- 印刷処理を取り消すユーザ名を指定します。複数のユーザの印刷ジョブを取り消す場合は、それぞれのユーザ名をカンマで区切って指定します。
# lpq
スプールの状態を表示して、ジョブ番号を確認するPrinter: prt0@localhost
Queue: 1 printable job
Server: pid 2447 active
Unspooler: pid 2448 active
Status: printing finished at 11:04:55.530
Rank Owner/ID Class Job Files Size Time
active root@localhost+446 A 446 /usr/share/printconf/t 414 11:04:53
done root@localhost+950 A 950 /usr/share/printconf 18255 10:50:14
# lprm 446
ジョブ番号「446」の印刷ジョブを取り消すPrinter prt0@localhost:
checking perms 'root@localhost+446'
dequeued 'root@localhost+446'
#
lpqコマンド
UNIXの印刷にポストスクリプト印刷というものがあります。ポストスクリプトとは、「ページ記述言語」というプログラミング言語のようなものです。つまり、印刷(または表示)イメージを定義するものということです。どこにどのような線を引き、どんな文字をどんな形式でというようなことを記述します。とはいえ、人間がこれを書こうとすると実イメージとのギャップのためになかなか書けるものではありません。UNIX環境ではテキストファイルをポストスクリプトファイルに変換するコマンドとしてa2psというコマンドがあります。では、このポストスクリプトを実際に印刷データに変換するのは誰でしょう?これは、ポストスクリプトを解釈(インタプリタ)して印刷してくれるポストスクリプトプリンタというものもになりますが、非常に高価です。
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本コンテンツは「UNIXコマンド辞典 ビギナー編」(2003年)を元にWeb用に再編集したものです
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