Cloud Native開発で求められるインフラの要件とは?
「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の特徴について丸川氏は「スピード感や柔軟性、高可用性、従量課金といったクラウドのメリットと、パフォーマンスやセキュリティ、ガバナンスといったオンプレミスのメリットを併せ持つ『第二世代クラウド』として開発された。デーセンターが設置されている欧米では、着実にユーザーを増やしている」と述べ、その先進性をアピールする。
また2019年中には、日本のユーザーが待ち望んでいた国内データセンターも開設する。2019年5月に東京リージョンが、同年12月には大阪リージョンが開設される予定となっており、日本のユーザーにとってOCIがますます身近な存在になるという。
なおOCIは、近年開発者の間で注目を集めているコンテナ技術を使った、いわゆる「Cloud Native」アーキテクチャに対応している。その中心的役割を演じるのが、マネージドKubernetesサービス「Oracle Container Engine for Kubernetes(OKE)」と、マネージドなコンテナレジストリ「Oracle Cloud Infrastructure Registry(OCIR)」の2つのサービスだ。
他のクラウドサービスでも同種のサービスは提供されているが、OCIはエンタープライズクラスの高いパフォーマンスと可用性が担保された環境でKubernetesのクラスタを運用できる点が大きな特徴。またOKEとOCIRは無料で利用でき、足回りのIaaSの利用料を従量課金で支払うだけで安価に利用できる。さらには、OCIが提供する多種多様な周辺サービス群をOKE/OCIRと連携させることで、さまざまなユースケースに対応したシステムアーキテクチャに対応可能だという。
これら周辺サービス群の中でも、特に最近オラクルが力を入れているのが、自律型データベース「Oracle Autonomous Database」だ。パッチ適用やバックアップ、チューニング、オンライン・スケーリングなどの運用タスクを、データベースがすべて自動的に行ってくれるため、これまでデータベース運用に掛かっていた手間や時間を大幅に削減できるという。またセキュリティ対策やダウンからの復旧のタスクも、データベースが自律的に行ってくれる。
このOracle Autonomous DatabaseとOKEを組み合わせることで、システム負荷に応じて柔軟にスケールするコンテナアプリケーションを容易に構築できるという。本セッションでは実際に、Oracle Autonomous DatabaseのOLTP向けサービス「Oracle Autonomous Transaction Processing」とOKEを組み合わせ、外部から負荷を与えながらアプリケーション層およびデータベース層について、アプリケーション処理を途切れさせることなくスケールさせる様子が披露された。
「将来的には、完全自動スケールも実現できる予定だ。このように、OCIはCloud Nativeアーキテクチャに基づくアプリケーション開発には最適なプラットフォームだと自負しているので、東京リージョンが開設された際にはぜひ試してみていただきたい」(丸川氏)