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「LIFE with LINE」を目指すLINEのAI、インフラ、セキュリティへの取り組み【LINE DEVELOPER DAY 2019】

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2019/11/20 18:00

 LINEの技術カンファレンス「LINE DEVELOPER DAY 2019」が、グランドニッコー東京 台場にて、11月20日より2日間にわたり開催される。初日は「Engineering」をテーマに技術の深い話を、2日目は「Production」をテーマにWeb開発技術やUI/UX、プロジェクトマネジメントなど、プロダクト開発における実践的な話を届ける予定だ。本記事では、LINEのAI、インフラ、セキュリティについての取り組みが紹介された初日の基調講演の模様をお届けする。

目次

 LINE DEVELOPER DAYは今年で5回目となる。6つのセッション会場のほか、ロビーでのショートセッション、ポスター展示を前にしたポスターセッション、LINEのプロダクトやエンジニアの取り組みが体験できるブース、そしてハンズオンと多様なコンテンツが用意されている。

ブースのエリアの様子
ブースのエリアの様子

「LIFE with LINE」を目指すLINEのデータへの取り組み

 初日の基調講演では、LINE CTO 朴イビン氏より、LINEの現況とテクノロジーにおいて注力している取り組みについて紹介された。

LINE CTO 朴イビン氏
LINE CTO 朴イビン氏

 LINEは、生活のさまざまな面をサポートする「LIFE with LINE」を目指し、約70のサービスを運営、今年だけで20サービス以上をローンチしたという。

 昨年より金融サービスに力を入れ、「LINEほけん」「LINE証券」、日本向けの仮想通貨取引サービス「BITMAX」などをリリースしてきた。LINE Payも成長を続け、国内におけるユーザーは3700万人の規模だ。

 LINEが提供するサービスだけでなく、他サービスとLINEを連携するためのサービスも強化されている。2019年6月の「LINE CONFERENCE 2019」で発表されたLINE Mini appは、LINEのなかに、飲食店の予約ページなどのサービスページを開設できるサービスだ。ユーザーはLINEからサービスを検索したり、企業はLINEを通じてユーザーに通知を送ったりすることができる。

 さらにLINEは、これらのサービスを自然な形で提供するためにAIも重視し、朴氏は「LINEのサービスを利用しているすべてのシーンでAIがともにある」と語る。

 LINEでは、AIを推進していくため、データを扱うためのふたつの原則を掲げている。

 ひとつめはプライバシーファースト。プライバシーは、コストや機能以上に最優先されるべきものと掲げている。ふたつめはデータのサイロ化をなくすことだ。データのサイロ化、つまりデータソースがサービスごとに分かれるということは、非効率なうえにプライバシー面でのリスクもありうる。

 このふたつの原則を実現するために取り組んだのは、異なるサービスをひとつのデータ環境で運用する「Unified Self-Service Data Platform」だ。このプラットフォームにより、人間にとってはより安全で、AIにとってはより効率的にデータを活用できるようになる。

Unified Self-Service Data Platform
Unified Self-Service Data Platform

Clovaで培ったAI技術を社外に提供する「LINE BRAIN」

 続いて、LINE BRAIN室 室長の砂金信一郎氏が登場し、LINEのAIの取り組みについて説明した。

LINE BRAIN室 室長 砂金信一郎氏
LINE BRAIN室 室長 砂金信一郎氏

 LINEのAIの活用例として、砂金氏はまず、LINEアプリ上にユーザーごとにカスタマイズされた情報を届ける「Smart Channel」について言及した。LINEでは、ユーザーがどんな公式アカウントをフォローしているかなどのユーザー行動とコンテンツから特徴量を抽出、それらを元にレコメンデーションなどの機械学習の仕組みを用意しておくことで、各サービスに組み込みやすくしている。これらの仕組みを活用したのがSmart Channelだ。

 さらにLINEでは、Clovaで培った自然言語処理や音声認識技術を「LINE BRAIN」として社外に提供している。

 今回のLINE DEVELOPER DAYでは、事前に登録を済ませれば、会場では顔をかざすだけで受付が済むという顔認証技術が用いられた。これは「Face Sign」という技術を用いており、サイネージや本人確認などさまざまなシーンでの応用が考えられる。

Face Sign
Face Sign

 さらに文字認識技術OCRの活用例として、自動フォント生成技術も披露された。これは500文字ほどの手書きデータを読み込ませれば、自分の手書き文字風のフォントが作れるというもの。今回はデモとして、「全自動手書きレポートマシン」を自作した大学生のたむ氏の協力のもと、たむ氏の手書き文字を元にフォントを生成した。今回のコラボレーションは、たむ氏の取り組みを紹介した記事を見た砂金氏がたむ氏にコンタクトを取って実現したもので、会場にはたむ氏も招かれた。

たむ氏の手書き文字フォントをプロッターに出力しているデモ
たむ氏の手書き文字フォントをプロッターに出力しているデモ

 さらに、レストランの電話予約を事前な自動音声で受ける技術「Project DUET」は、「LINE AiCall」と名前を変え、大手町のレストラン「俺のGrill&Bakery」にて実証実験がスタートした。


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著者プロフィール

  • 近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

    株式会社翔泳社 CodeZine編集部 副編集長、Developers Summit / Developers Boostオーガナイザー。岡山県出身。京都大学、東京大学大学院で建築史を専攻し、フリーランスを経て2014年に翔泳社入社。ITエンジニア向けにコンテンツを発信する編集者として、Webメディ...

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