ニーズの高まるディープラーニングを学ぶために、高度な数学の知識は不可欠でしょうか。たしかに仕組みを理解するには欠かせませんが、最初の一歩、問題解決のできるディープラーニングを使えるようになるには別の方法がありえます。その方法について解説した入門書が『なっとく!ディープラーニング』(翔泳社)です。高校で数学を学びPythonをかじったことのある人に向けた1冊です。
『なっとく!ディープラーニング』は、(錆びついていることが前提の)高校数学とPythonの基礎を前提に、ディープラーニングについてなるべく学ぶハードルを下げて解説した入門書です。
本書に関心がある方も、今までディープラーニングを学ぼうと思って様々な壁にぶつかってきたかもしれません。あるいは、高度な数学の知識がないと学べないと最初から諦めているかもしれません。その壁を突破するのは、やはりディープラーニングを楽しいと感じられるかどうかです。
著者のアンドリュー・トラスクさんは、ディープラーニングを学ぶうえで楽しくなり始めるのは、自分で作ったニューラルネットワーク(ディープラーニングのアルゴリズム)が「学習する」のを目の当たりにした瞬間だと書いています。本書では第3章の最初に簡単なニューラルネットワークを作ることになりますが、つまり、そこから「楽しくなる」というわけです。
数学に基づいた基礎理論ではなく、実際の問題解決に使えるディープラーニングを学ぶためにほとんど一から必要な知識を解説してくれている本書。後半にはより複雑な内容も扱いますが、まずじっくり1冊の本に向き合って理解を深めたい方におすすめです。
目次
第1章:ディープラーニング入門
第2章:基本概念
第3章:ニューラル予測
第4章:ニューラル学習
第5章:一度に勾配の重みを学習する
第6章:初めてのディープニューラルネットワークの構築
第7章:ニューラルネットワークの描き方
第8章:シグナルを学習し、ノイズを取り除く
第9章:確率の非線形性のモデル化
第10章:エッジとコーナーに関するニューラル学習
第11章:言語を理解するニューラルネットワーク
第12章:シェイクスピアのような文章を書くニューラルネットワーク
第13章:自動最適化
第14章:シェイクスピアのような文章を書くための学習
第15章:未知のデータでのディープラーニング
第16章:次のステップ
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
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