「Microsoft Inspire」で世界的なDX事例として紹介
こうした画期的な取り組みは世界でも認められることになる。2019年7月に行われたMicrosoftのパートナー向けカンファレンス「Microsoft Inspire」では、Microsoft CEO サティア・ナデラ氏の講演において、世界を代表するデジタルトランスフォーメーション(DX)事例として紹介されるに至った。
「今、DXの重要性が叫ばれていますが、エンジニアだけでDXを成し遂げるのはほぼ不可能です。日々課題に直面している現場の人間が技術要素を取り入れないと、できあがったシステムと現場の要望の間にズレが生まれてしまいます」(常盤木氏)
EBILABが目指すのは、小田島氏や常盤木氏をはじめとした経営陣やテックリードが軒並み有給をとっても業務が円滑に回る会社にすること。実は、小田島氏と常盤木氏は沖縄在住で、現在リモートワークを実践中でもある。
「東京でリモートワークをしても、さまざまな環境が充実しているから実績があがって当たり前。でも制約の多い地方都市でうまくいくなら、シンプルにかっこいい。それに、地方ではとがったビジネスを展開する企業が少ないので注目されやすいですよ」(小田島氏)
「30~40代で『故郷が恋しいなぁ』と思ったエンジニアの方々にお伝えしたいのは、『皆さんはすでに故郷の抱える課題を解決できる力を持っている』ということ。副業でも構わないので、地方に根ざす、良い製品や技術はあるのにマーケティングがあまり得意でない会社にコミットすると、大きな力になれると思います」(常盤木氏)
経営陣が本社にいない状況でもビジネスが円滑に進むようになれば、働き方改革も進む。そう常盤木氏は考えている。
「誰もが1年ほど有給を取っても、何の問題もなく業務ができる組織を目指したい。そのためのボトルネックとなる部分は積極的に解消していきたいですね」(常盤木氏)
最後に小田島氏は、同社が導入するスマレジのビジネス面での魅力について語った。
「店舗はデータの宝庫です。特に最近ではテクノロジーが発達して、棚解析やポイントカードなどさまざまなデータが取れるようになりました。しかし店舗の持つデータの中で、最もビジネスに直結するのはPOSデータです。いまだに多くのPOSデータはFTP経由。これをリアルタイムできれいに取得できるスマレジは画期的だと思います」(小田島氏)
スマレジは2020年夏ごろ、「スマレジ4.0」というアプリマーケットを展開する予定だ。開発パートナーや事業者が、スマレジを利用している2万店舗に対して、API連携できるアプリを公開することが可能になるという。
スマレジで開発本部 本部長を務める宮崎龍平氏は次のように話す。
「スマレジはアクティブ2万店舗のユーザーを抱えるクラウドサービスです。ですからスタンダードかつ安全・安心に動作保証できるシステム構成を採用しています。2020年夏にオープンするスマレジ4.0はSaaSサービスとして展開します。提供するAPIを、POSレジデータに加えて、2万店のデータから導き出した来客傾向や勤怠データまで拡張し、一般ユーザーが自社の基幹システムと手軽に連携できるようになります」(宮崎氏)
それを受けて山本氏も今後の展望を語り、セッションを締めくくった。
「開発パートナーとユーザーが課題などを共有できる場にし、常盤木さんがおっしゃったような『課題との距離ゼロ』『ユーザーとの距離ゼロ』の状況をつくるプラットフォームにしたいですね」(山本氏)
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