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イベントレポート

テクノロジーの力と情熱で社会変革を推進していく【de:code 2020 基調講演】


Microsoft Power Platform:ローコードで業務アプリケーション開発

 業務アプリケーションを構築するためのプラットフォームとなるのがMicrosoft Power Platform。Microsoft 365、Azure、Dynamics 365などをつなぎ、統合されたプラットフォームでローコード開発できる。Power Apps、Power Automate、Power BIでデータの収集、解析、予測などを行える。

 Microsoft Power Platformの事例として挙げられたのが東京都福祉保健局。2週間でCOVID-19の軽症者向け健康管理アプリを構築した。患者はスマートフォンから体温や健康状態を自己申告できて、看護師は担当する患者の状態を一覧できる。この健康管理アプリは全国の自治体で活用できるように、6月23日からGitHubで一般公開開始した。

看護師がタブレットから見る画面。患者の体温や状態が一覧できる。
看護師がタブレットから見る画面。患者の体温や状態が一覧できる。

Microsoft 365:開発者のプラットフォームとしてのTeamsやWindows 10

 これまでOffice 365と呼ばれていた企業や個人向けの生産性向上アプリケーション群は今年Microsoft 365と改称した。アーキテクチャを見ると、下層にMicrosoft GraphやFluid Frameworkがあり、Webをベースとして上層にTeamsやOfficeなどのアプリケーションが稼働している。

 Microsoft 365でコラボレーション機能を担うのがMicrosoft Teams。リモートワークで急速に活用が広がっている。2019年末に1日のアクティブユーザーは2000万人だったところ、2020年5月には7500万人を突破した。Teamsをプラットフォームとして、サードパーティーのアプリケーションを組み込んで使うケースも増えている。

 開発者向けでは、Power Platform、Visual Studio、Teams Graph APIなどマイクロソフト製品との連携強化がいくつか紹介された。

 それからWindows 10。月間のアクティブデバイスとしてWindows 10は10億台を突破し、ユーザーがWindows 10で費やす時間は2019年に比べて2020年は75%増加している。マイクロソフトはWindows 10デバイスとアプリの開発プラットフォームを統合する「Project Reunion」を2020年5月に発表した。Win32とUWPアプリのAPIをWindows OSから切り離し、Windows 10の全てのデバイスで動作するアプリを開発できるようにする。発表と同時に新しいAPIとなるWinUI 3.0 Preview 1も公開された。

攻撃があっても動じることがないようにするセキュリティの姿勢とは

 セキュリティの課題としてよく挙げられるのが人材不足、新しい攻撃への対応、セキュリティ管理の複雑化だ。日本マイクロソフト 技術統括室 チーフセキュリティオフィサー 河野省二氏は「Security Posture」(セキュリティの姿勢)と掲げ、脆弱性のない環境を作ることとインシデント対応の軽量化が重要だと説いた。前者はIDをベースとしたゼロトラストであり、後者はモダンSOCが該当する。

 セキュリティ関連の新機能としては、Facebook IDなどでマイクロソフトのサービスにサインインできるシステムを構築できる「Azure AD External Identities」、組織のセキュリティの状態をスコアで表示する「Microsoft Security Score」のAPI化などがある。

Mixed Realityのための新しいサービスとデバイス

 Mixed Reality(複合現実)のための新しいAzureのサービスとして紹介されたものにASA(Azure Spatial Anchors)とARR(Azure Remote Rendering)がある。

 ASAは時間と空間を越えて異なるデバイスで座標を共有する。複数のデバイスで巨大な座標システムを作るものだ。iPhoneやAndroidのARCoreほかHoloLens 2でも実行可能。2020年5月から提供開始している。

 ARRは大規模で高精度のコンテンツを取得し、複数の角度や視点からレンダリングする。デバイスの能力では生成できない複雑なモデルでもAzure上で自由にレンダリングできるため、緻密なコンテンツが生成できる。現在はプレビュー公開中。

 なおASAやARRが活用されている事例にARゲームのMinecraft Earthがある。モバイルデバイスやHoloLensを使い、現実世界を見ながら掘ったり、探検したりするゲームだ。

Minecraft EarthはAzureのMR関連サービスが使われている
Minecraft EarthはAzureのMR関連サービスが使われている

 MRで使うデバイスには新しいHoloLens 2が発表された。2020年7月からマイクロソフトストアで販売開始となる。快適さと没入感が向上している。

 それからMRを使ったリモート会議サービスとなるのがAltspaceVR。HoloLensなどのヘッドマウントディスプレイを用いて複数の人が共通の空間でコミュニケーションできる。会議というよりは、卒業式やダンスパーティーなどの特別な会合に良さそうだ。

 de:code 2020は7月17日まで自由にセッションが閲覧できる。基調講演以外にも詳細を解説するセッションが順次公開されていく。興味がある分野があればこの機会に聴講するといいだろう。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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