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日本のDX促進の突破口となれるか? DevSecOpsを一括でカバーするGitLabの魅力

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 ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、ライフサイクルのすべての情報やタスクを管理するのに欠かせないリポジトリ管理。バージョン管理システムGitを使ったリポジトリサービスはいろいろ登場しているが、最近、注目を集めているのが「GitLab」である。今年3月に日本法人 GitLab合同会社を設立。なぜこのタイミングで日本に進出したのか。またGitLabとはどのようなソリューションなのか。そのコンセプトや活用するメリット、さらにはGitHubとの違いなどについて、カントリーマネージャー(日本担当)の村上督氏、シニア・ソリューション・アーキテクトの伊藤俊廷氏にお話を伺った。

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GitLab 日本担当カントリーマネージャー 村上督(むらかみ ただし)氏

 Citrix SystemsやAcronisなどの企業で経営幹部を務めるなど、テクノロジー分野に25年従事。複雑な販売情勢下におけるダイレクト販売や、収益性のあるパートナー関係構築のためのチャネル販売分野に精通しており、チーム作りのスペシャリスト。ワイン愛好家であり、週末には各国のワインを嗜む。


GitLab シニアソリューションアーキテクト(APJ) 伊藤俊廷(いとう としたか)氏

 SIerでソフトウェア開発、プロジェクト管理、技術調査、海外勤務等の業務に従事し、自身でも新しい開発ツールの導入、組織の文化醸成の難しさを痛感した。その後、開発経験を活かし、アプリケーションセキュリティベンダーにて、セキュリティテストのソリューションを戦略顧客に導入する任務を担った。趣味はロッククライミング、ビデオゲーム、モーターサイクル。

GitLabが日本のDXを促進していく

 GitLabはGitを使ったリポジトリサービスとして、近年、最も注目を集めているソリューションだ。そのGitLabが今年3月、日本法人、GitLab合同会社を設立した。

 GitLabが米国で設立されたのは2011年。14年には法人化され、直近4年で50倍の成長を遂げており、2019年の経常収益は1億ドル。前年比に比べ、16%も増加している。この数字が表しているように、GitLabのオープンソース版のユーザーはワールドワイドで100万人規模。「日本でも約15万人いる」と村上氏は語る。

 有償版のユーザー数も世界では80万人。まだ拠点ができたばかりの日本でも、すでに数万ものユーザーがおり、アカウントあたりの最大ユーザー数は4800と「すでにビジネスはできている。3月の発足時は(日本の顧客は)65社だったが、現在75社のお客さまがいる」と村上氏は胸を張る。有償版のユーザーは比較的大手が多いが、小さな規模の企業でも使われているという。

 このタイミングで日本に本格参入した理由について村上氏は、「日本は世界における大きなIT市場として認知され、常に参入のタイミングを模索していた。むしろ遅いぐらいだった」と語る。

 先述したように日本におけるGitLabのユーザーは15万人。すでにコミュニティも確立していた。このままでもビジネスを成り立たせることはできる。だがGitLabでは「デュアルフライホイール(2つの弾み車)」戦略を確立している。「コミュニティをサポートしてコントリビュートしてもらい、その機能を製品に反映させて有償版を購入していただき、その利益でまたコミュニティをサポートする。そういったサイクルを回していくには日本での組織を作る必要があった」と村上氏はその理由を語る。

「デュアルフライホイール(2つの弾み車)」戦略のイメージ
「デュアルフライホイール(2つの弾み車)」戦略のイメージ

 そしてもう1つの大きな理由が、GitLabの活用を普及させることで、日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進していくことである。「日本ではなかなかDXがうまくいかないのは、システムや仕組みをすべて明確にした上で、ウォーターフォール型のように作っていく企業文化が大きく影響していると思います。不確実なものを明確化しながら進めていくアジャイル開発に躊躇する上層部の考えを変える、その一助になりたい」と村上氏は意気込みを語る。

 GitLabがDX達成の促進に役立つのには理由がある。GitLabは「運用効率」「開発生産性」「セキュリティ、コンプライアンスリスクの軽減」を訴求しているソリューションであり、「可視化」「効率化」「シフトレフト」を実現する。事実、GitLab社自身、DXを達成し、進化し続けているという。

単一のGUIでDevSecOpsのライフサイクル全体をカバー

 下図を見ればわかるとおり、GitLabはソースコード管理はもちろん、プランニングから、CI/CD、テスト、セキュリティまでというDevSecOpsのライフサイクル全体をカバーするオールインワンのアプリケーションである。

GitLabがカバーするDevSecOpsのライフサイクルのイメージ
GitLabがカバーするDevSecOpsのライフサイクルのイメージ

 現在、ソフトウェア開発の現場では、さまざまな開発ツールが使われている。米フォレスター・リサーチ社が行った調査によると、組織の78%が6種類以上のツールから成るツールチェーンを2つ以上使用しているという。

 「プロジェクトごとにばらばらにツールを導入することで“ツールチェーンクライシス”が起こっている。そこにメスを入れるソリューション。単一GUI、単一データモデル、単一コードベース、単一認証と1つのツールに統一することで、運用効率も開発生産性も上げることができる」(村上氏)

 例えばよく比較されるGitHubも「カバーする範囲を増やしているが、構成管理やログ監視、クラスター監視などの機能はまだ有していない」とシニア・ソリューション・アーキテクトの伊藤氏は指摘する。もちろん、他の専用ツールと比べて、現時点で足りない機能もある。だが、「GitLabでは毎月製品がリリースされており、年々、すごいスピードで製品の成熟度が上がっている」と村上氏は言い切る。

 GitLabの製品開発のスピードを支えているのが、世界中のコントリビュータの存在である。「コードコントリビュータは4800人以上。コントリビュータ全体としては1万人以上います」と村上氏。

 ミートアップも頻繁に開催。そこで「こんな製品がほしい」などのユーザーからのフィードバックが上がってくるという。それらのフィードバックの中から、現在のマーケットの需要を鑑み、「DevSecOpsのサイクルがサポートできるよう機能の開発を進めています」と伊藤氏は説明した。小さなバグがみつかれば、同社のエンジニアもしくはコントリビュータが随時、修正を行う。そういった体制が世界規模で整っていることも、GitLabの強みである。

 実際、GitLabを導入した企業では、大きな成果を得ているという。例えばゴールドマンサックスは開発効率の改善、ソフトウェア品質の向上を目的にGitLabを導入。その結果、2週間に1ビルドの生成しかできなかったのが、1日で数千ビルド生成できるようになったという。また、あるソフトウェア企業ではGitLab導入により製品のリリースサイクルが26倍にスピードアップ、QAの効率化が120倍になったという企業もあるという。

 その他の例として、デルタ航空では2年かけてインフラを、クラウドネイティブで柔軟性のあるアーキテクチャに刷新。その開発環境にGitLabを採用した。この成果により、デルタ航空のITマネジャーはDevOps Dozen 2019の年間最優秀DevOpsプラクティショナーに選ばれ、またGitLabも最高DevOpsソリューションプロバイダーに選ばれている。

有償版を使うメリットとは

 GitLabには無償版と有償版がある。無償版には、Community EditionとEnterprise Edition(Coreプラン)の2つの選択があり、実質的な機能は同じである。新規に導入するユーザーは、まずはEnterprise Edition(Coreプラン)の導入をすることで、有償版への移行がスムーズにできる。無償版と有償版の最大の違いは「サポートがつくこと」と伊藤氏は説明する。有償版のStarterプランの場合、平日なら、問い合わせから24時間以内にサポートが返信してくれるという。有償版はStarter以外にも、Premium、Ultimateと3つのプランを提供している。プランのグレードが上がるほど、より安心してDevOpsのプラットフォームとして使えるようになるという。

 有償版はサポート以外にも、開発者はもちろん、プロジェクトマネジャーにとっても価値のある機能が多数、提供される。例えばStarterプランの付加価値機能として、伊藤氏は次の3つを挙げる。第一は指定した承認者によるソースコードのマージ承認ができること。「組織が増大した場合にも、ソースコードやブランチに応じた適切な承認プロセスの設定ができます」と説明。第二にバーンダウンチャートの活用ができること。アジャイル開発におけるタスク管理のサポートがされるようになる。第三は高度なLDAPサーバに関する設定ができること。「LDAPとのユーザー、グループ同期、複数のLDAPサーバとの連携ができます」と説明した。

 上記に挙げた機能以外にも、数多くの役立つ機能が提供されているので、詳細については、こちらの機能比較のページ(英語)で確認してほしい。Starterプランは1ユーザーあたり年間48ドル。月額にするとたった4ドル(日本円にすると約430円)である。提供される機能をチェックすれば、決して高いとは思えないはずだ。

無償版のCore機能とStarterプランの比較
無償版のCore機能とStarterプランの比較

3つの有償プランの選び方

 では有償プランをどう選んでいくか。Starter、Premium、Ultimateとランクが上がるにつれ、提供される機能も増える。

 まずはStarterを使ってみるという方法でもよいが、「Starterは10~15人ぐらいの規模のプロジェクトならよいかもしれないが、50~100人ぐらいの規模、もしくはよりエンタープライズなシステム開発のプロジェクトの場合は、より安心して使えるPremiumがお勧めです」と伊藤氏。

 また村上氏も「ログの管理をしたい、あるいはHA構成でやりたいお客さまはPremiumを選ぶ傾向があります。またUltimateは大規模のプロジェクトに向いています。ですが、まずは何か小さなプロジェクトでStarterから始めてみてください。GitLabを使うよさがわかっていただけると思います」と話した。

 GitLabでは利用シーンや事例(英語)はもちろん、価格戦略製品ロードマップ競合分析社員のプロフィール(すべて英語のサイトに遷移)など、あらゆる情報が公開されている。

 世界67の国や地域に1267人の社員がリモートワーキングで働いているGitLab。リモートワークのガイドブック(英語)も公開している。自らDXを達成し、DXを加速しているからこそ、全員がリモートワーキングという先進的な働き方が実現しているとも言える。

 「日本でもサポート体制を整えていきます。私たちはソリューションだけではなく、私たち自身がDXを達成し、進化し続けていることでそのノウハウも持っている。これがGitLabの価値であり、GitLabがみなさんのDXへの取り組みを支援するソリューションとなる。まだGitLabを使ったことのない人はまずは無償版を試してみてください。そしてその価値を体感できれば、有償版にステップアップし、DevSecOpsの開発環境を整備していくことをお勧めします。そうすることでDXプロジェクトを成功に導くことができると思います」(村上氏)

 DXへの取り組みが加速している今、1つのGUIでDevSecOpsのライフサイクルのすべてをカバーできるGitLab。この機会にぜひ、試してみてはいかがだろう。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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