OSSを「フィルム化」し「保管」する価値、担当者インタビュー
今回CodeZineでは、本プロジェクトの責任者であるJulia Metcalf氏にいくつかの質問にお答えいただいた。以下に紹介する。
――世界に公開され更新され続けることがOSSの一つの価値だと思いますが、それを「フィルム化」し「保管」する価値は何でしょうか?
現在作成されているソースコードを将来の世代のために確実に保存するため、パートナーのPiql独自のフィルム形式である硝酸銀フィルムに世界のオープンソースコードを保存することにしました。このフィルムは1000年の寿命があり、歴史的な価値というだけでなく、今日のテクノロジーが忘れられ予期せぬ必要性が生じた場合に備えるための保護手段(セーフガード)になるという両方の目的を持っています。
――ソースコードの永遠性と、一方で物理的な災害や不具合で消えてしまう可能性についてどう考えていますか?
世界のソースコードを保存する場所としてノルウェーのスヴァールバル諸島を選択したのは、ここに有名なスヴァールバル世界種子貯蔵庫があり、長期間の安定した貯蔵庫として既に機能しているからです。 もちろん、スヴァールバル諸島も気候変動の影響を受けるのですが、最長でも数メートルの永久凍土層だけが影響を受けると考えられています。そのため、温暖化によって鉱山の安定性が脅かされるとは考えていません。
――ずばり、GitHub Archive Projectの価値はどんなところにあるでしょうか。
私たちの文明であるソフトウェアおよびその他のオンラインデータが保持している現在の耐久性をもつバックアップ戦略として、新しいストレージメディアへの移行を継続させることに大きな期待が寄せられています。そこで、私たちは世界が依存しているソフトウェアのバックアップ方法として、より耐久性のあるものに着手しました。
GitHub Archive Programは、次世代のオープンソースソフトウェアを保護し、オープンソース運動の重要性を証明することを目的としています。
――ありがとうございました。