はじめに
「制作」(building)と「スクリプト作成」(scripting)は、MMOG Second Lifeにおいて非常に重要なスキルです。制作とは、複雑な3Dオブジェクトを作成するプロセスで、スクリプト作成とは、スクリプト言語を使って、制作した3Dオブジェクトにゲーム内で何らかの動作を行わせるプロセスです。私の以前の記事では、スクリプト作成について説明しました。この記事では、制作について説明します。まず制作の基本を説明し、次に城を築くための3Dオブジェクトセットの作成方法を示します(図1の例を参照)。
プリミティブの概要
制作を始める前に、プリミティブ(略してプリム)を作成する必要があります。プリムとは、非常に単純な立体構造を持つオブジェクトです。Second Lifeでは13種類のプリムを作成できますが、実はこれらのプリムはわずか7つの基本図形で構成されています。例えば球に対して「パスカット」の始点と終点を設定することで半球ができます。パスカットを使えば、プリムの一部を取り除き、別の形を作ることができます。図2に、7つの基本図形を示します。
図2では、私のアバターである「Encog Dod」の前に7つの基本図形が並んでいます。一番左から、ボックス(box)、プリズム(prism)、シリンダ(cylinder)、球(sphere)、トーラス(torus)、リング(ring)、チューブ(tube)です。
これらのプリムのいずれかを作成するには、画面の下にある[build]オプションを選択します。
[build]を選択すると、制作ウィンドウが表示されます(図3を参照)。プリムを作成するには、「魔法の杖」アイコンを選択します。デフォルトではボックスが作成されます。自分のアバターの近くをクリックすると、作成したボックスが表示されます(図3を参照)。
図3で、小さな木目調のボックスが選択されていることに注目してください。ボックスを作成すると、このように選択状態になります。ボックスの表面に赤、緑、青の矢印が表示されているときは、選択状態を意味します。これらの矢印を使って、3次元のいずれかの方向に移動できます。画面には、ボックスプリムの関連オプションを示すウィンドウが表示されます。これらのオプションについては、この記事の後半で説明します。
また、オブジェクトを移動するのと同じ方法で、プリムを回転したりサイズ変更したりすることもできます。マウスを使ってプリムをドラッグすることで、回転やサイズ変更を行うことができます。プリムを回転する場合は[Ctrl]キーを押し、プリムのサイズを変更する場合は[Ctrl]キーと[Shift]キーを同時に押します。
プリムのグループ化
プリムを組み合わせることで、複雑なオブジェクトを作成できます。2つのプリムを組み合わせるには、それらを接触(隣接)させる必要があります。まず、普通に1つのオブジェクトを選択し、次に、[Shift]キーを押したまま、追加するプリムを選択します。これで、複数のプリムを選択できます。グループ化したいプリムをすべて選択したら、ツールメニューの[Link]を選択します。プリムのグループ化を解除する場合は、グループを選択してツールメニューの[Unlink]を選択します。
図4では、3つの白い球を組み合わせて雪だるまプリムを作成しています。
球を白くするには、プリムのオプションウィンドウの[Texture]タブを使用します。色は[Texture]タブで選択します。球に対しては、この他にサイズ変更と移動のみを行うことができです。
Second Lifeユーザーであれば誰しもまず家を制作したいと思うでしょう。土地を手に入れたら、自分の生活の場を作成できます。Second Lifeの世界にはさまざまな種類の家があります。今回の記事では、基本的な城制作ブロックを使って簡単な城を築く方法を紹介します。城はあなたの好みに合わせて大きくも小さくもできます。また、どの制作タイプでも使える便利な環境整備(テラフォーム)テクニックも紹介します。