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オープンソースの開発スタイルで企業のソフトウェア開発を変える、実践インナーソース入門

社内のコミュニティをとりまとめる、トラステッドコミッターとプロダクトオーナーの役割 ――実践インナーソース入門

オープンソースの開発スタイルで企業のソフトウェア開発を変える、実践インナーソース入門 第3回

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 オープンソースの開発スタイルを企業内で実践するInnerSource(以下、インナーソース)は、ソフトウェア開発のスピードや品質が向上するだけでなく、縦割りの仕組みを抱える企業でサイロ化してしまった開発チームが、開発文化を変革することにも繋がります。本連載では、ソフトウェア開発に関わるそれぞれの立場の人が、インナーソースに必要な考え方や行動の価値を理解し、実践できるようになることを目標としています。第3回となる今回は、コントリビューションを受けるチームの窓口となる「トラステッドコミッター」と受付方針を決める役目の「プロダクトオーナー」について解説します。

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本文書のライセンスについて

 本記事は、InnerSourceCommons.orgが提供するInnerSource Learning Pathを元に再編集したもので、CC BY-SA 4.0(表示 - 継承 4.0 国際)ライセンスに従い提供されています。

トラステッドコミッターとプロダクトオーナー

コントリビューターとホストチームの関係
コントリビューターとホストチームの関係

 これまでの連載で、コントリビューションを受け入れるチームを「ホストチーム」、コントリビューションするチームを「ゲストチーム」と表現し、これらの言葉は、お客(ゲスト)を家に招く人(ホスト)からきたものだと述べました。

 コントリビューターは、ホストの家を訪問するゲストの役割で、インナーソースではコミュニティにコントリビューションする人を指します。コントリビューションには、バグレポート、機能追加リクエスト、ドキュメントなど、コードに限定されるものではなく、さまざまなものがあります。すべてのコントリビューションで、コントリビューターにはホストの家のルールに従うこと、つまりコミュニティの決めごとを守ることが求められます。

 これに対して、トラステッドコミッターとプロダクトオーナーは、両方ともホストの役割になります。

 トラステッドコミッターは、ホストの家の一員で、ゲストが快適に過ごせるように家の内装を整えたり、ルールを決めたりして、直接ゲストをサポートする人達です。つまり、トラステッドコミッターは、コントリビューターからのリクエストに対応するために、技術だけではなく、コミュニティに対しても責任を持つ役割ということになります。

 プロダクトオーナーは、家主のような存在です。プロダクトオーナーは、管理するプロジェクトの方針について責任を持つと同時に、アジャイルプロセスと同様に、実装する要件の優先順位付けにも責任を持ちます。また、要求された機能やコントリビューションの内容が、製品に本当に必要なものか判断するにあたり、トラステッドコミッターと連携して活動します。

 なお、小規模なインナーソースコミュニティでは、トラステッドコミッターとプロダクトオーナー、両方の役割を一人で受け持つこともあります。

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この記事の著者

小林 良岳(株式会社東芝)(コバヤシ ヨシタケ)

 海外企業でのシスアド、大学院助教を経て、2008年より現職。Linuxなどのオペレーティングシステムの技術開発と適用に従事。現在は、OSSプロジェクト(Civil Infrastructure Platform)技術委員会のチェアマンとしての活動とともに、社内ではソフトウェア技術開発を行う部門をリ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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