しゃべれて作れるエンジニアになろう
続いて、長谷川氏は「ちょっと無責任なことを言いますが」と前置きしたうえで、エンジニアは起業したほうがいいと説いた。
「僕の身近にもエンジニアで起業したすごい人はたくさんいます。エンジニアは論理的に思考ができるし、起業する上で重要な要素を持っています」
そして長谷川氏自身も、経営において、会社の組織をシステムのダイアグラム・論理構成図のように考えるなど、エンジニアならではの知見を生かしている。人ではなく役割で組織を設定するなど、「経営はシステムに通じるところがある」と長谷川氏は言う。
もちろん、起業には苦労がつきものだ。会社を作るには必要な機能がたくさんあり、経理や財務、法務に採用と、必要な機能が多数ある。そして何よりも、仕事をどうやって得ていくかが難しい。「だから営業力はとても重要」と長谷川氏は付け加える。
エンジニアをルーツにしているせいか、自分自身にコミュニケーションスキルやソフトスキルの不足を感じていると長谷川氏はいう。これらのコミュニケーションスキルとソフトスキルは、営業力はもちろん、エンジニアのキャリアパスにも関係してくるのだという。
ここで、エンジニアのキャリアパスを「マネジメントルート」「起業ルート」「技術スペシャリストルート」の3つのルートで説明した。そして、どのキャリアパスでも、コミュニケーションが重要だという。
マネジメントルートでは、部下との会話にコミュニケーションスキルが必要だ。悩んでしまう社員もいるため、助言をするシーンも出てくる。起業ルートでは、社員や他社との会話がある。
技術スペシャリストルートでは、ある分野のスペシャリストになればなるほど、異業種・異職種のスペシャリストとの会話が増えてくる。経歴や業務が異なってくると、専門用語が異なり、プロトコルが異なってしまうため、一層コミュニケーションスキルが重要だ。
どのキャリアパスでも、コミュニケーションはすごく重要とし、長谷川氏は自らの経験をもとに次のように振り返る。
「会社を作って思ったことですが、1人で大きなことをするのはとても難しいです。コミュニケーションスキルを無視すると大変です。なので、仲間を作ることがとても重要だと感じています」
そして長谷川氏は「しゃべれて作れるエンジニアになろう」と呼びかけた。
「しゃべれて、作れたら、僕たちエンジニアはとても強いと思います。営業よりも前に立てるし、実際に作って実現できる。
僕たちは、なにかを作るために、ここにいるような気がしています。その僕たちがしゃべれたら強いですよね。みなさんには、コミュニケーションスキルとソフトスキルを大切にしてもらいたいなと思います」
最後に、好きな業界が見つからないエンジニアに向けて「クラウド系のインフラ企業」がオススメとアドバイスした。なぜなら、新しいビジネスなので、お客様の業界を選んでいないことが多い。つまり、さまざまな業界の課題に触れることができるからだ。
「課題があるって、すごく嬉しいことだなと思っています。もしその課題が実現・改善・解決できるのであれば、それがエンジニアとしての活躍だと考えています。そういう時間を提供していただいているお客様に、本当に感謝しています」