「Vue」では、すでにバージョン3が標準となっており、2.xを使っている開発者は互換性などの問題でやむを得ずとどまっていると考えられる。「Vue 2.7」では、バージョン3の一部重要な機能を取り込むことで、2.xを使っている開発者に新機能による恩恵を受けてもらうことを考えた。
Vue 3から取り込んだ機能としては、Composition API、SFC(Single-File Components)上での <script setup="">、同じくSFC上でのCSSのv-bindディレクティブの3点が挙げられる。Composition APIは、大規模プロジェクトの開発時にソースコードの見通しをよくするための各種機能を提供する。
<script setup>は、SFCでComposition APIを使うときに使用する構文で、糖衣構文(シンタックス・シュガー)の一種だが、使用することで同じ文の繰り返しを避けることができ、TypeScriptを使用した際にコードを書きやすくなるなどの理由から、使用が推奨している。また、CSSのv-bindディレクティブは、CSSの属性を動的に変更することを可能にする。
そのほか、defineComponent()、h()、useSlot()、useAttrs()、useCssModules()、set()、del()、nextTick()といったAPIが利用可能になった。