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データで未来を切り開く ARISE analyticsのデータサイエンティスト・エンジニアのキャリア(AD)

お客さまに寄り添いながら最適なデータ基盤を提供したい──「データアーキテクト」田畑幹さん

第3回 「データアーキテクト」のキャリア

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 通信キャリアとして多様かつ大規模なデータを活用してビジネスに生かす取り組みを積極的に推進しているKDDI。KDDIのデータドリブン経営を加速させるためのデータ基盤を構築しているのがARISE analyticsのデータアーキテクトだ。分析者の要望を聞き、それを実現するためにどんなシステム構成にするかを検討し、運用まで見据えた上で構築していく。今回はWebエンジニアからデータアーキテクトに転身した田畑幹氏が登場。データアーキテクトの仕事の魅力に加え、社内で活発に行われているワーキンググループ活動やギルド活動の面白さなどについて語ってもらった。

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法人営業からWebエンジニアへの転身、そしてデータアーキテクトに

 田畑氏はWebエンジニアからデータアーキテクトへの転身組だ。データアーキテクトへの転身のきっかけは、「今後のキャリアを考えていく上で、より明確な武器を身につけたいと思ったため」と語る。実はこのキャリアチェンジの前に、田畑氏は大きなキャリアチェンジをしている。それは営業職からWebエンジニアへの転身である。田畑氏が新卒で入社したのはメガバンク。「当時はプログラミングやシステムとは関係のない法人営業に従事していました」と振り返る。

 メガバンクを就職先に選んだのは、「企業の経営を支援したいという思いがあったから」と田畑氏。だが仕事をしていくうちに、よりダイレクトにお客さまの課題解決にアプローチでき、もっとお客さまに求められる業界で働きたいと思ったという。「法人営業をしていると、お客さまからよく聞くキーワードがITだった。そこでIT業界への転職を決めました」

 そこで田畑氏は「ITを基礎から勉強しようと思い、その一環としてプログラミングを学ぶことにした」と言う。そこで作りたいと思ったものが形になるプログラミングの面白さを実感。同時に適性も感じたという。「仕事を選ぶ上でその仕事が好き、適性があるかどうかはすごく重要だと思いました。そこでIT営業やITコンサルタントではなく、エンジニアとしてIT業界にチャレンジしたいと思い、Webエンジニアに転身しました」

 転職先のベンチャー企業では、Webエンジニアとして開発だけではなく上流工程も経験。利用者やビジネスサイドの人たちとやり取りして要件を仕様にまとめ、開発につなげたり、開発項目をタスク化してメンバーに任せたりするようなリーダー的な立場など、幅広い経験を積んだという。

 Webエンジニアとして幅広い経験を積みつつ、「さらに武器になるものが欲しかった」という田畑氏は、転職活動をする中で、よく耳にしたワードが「データ」だった。「データを強みにしたい」と考え、出会ったのがARISE analyticsだったという。ARISE analyticsはKDDIとアクセンチュアの合弁により2017年に設立された、国内最大規模のデータと最先端のデータ処理・分析技術を有するデータサイエンティスト集団。「データに関するエンジニアリングを学ぶのにうってつけの環境だと思いました」

株式会社ARISE analytics Analytics Delivery Division Data Platform Unit  Team Lead 田畑 幹氏
株式会社ARISE analytics Analytics Delivery Division Data Platform Unit Team Lead 田畑 幹氏

 さらにARISE analyticsへの転職を決定づけたのが、ARISE analyticsの社員として働いていた大学時代の先輩の言葉だったという。「仲良くしていた先輩から、『ARISE analyticsは社員を大事にするいい会社だよ』と言われたんです。実際入ってみて間違いないなと思いました(笑)」

データアーキテクトに求められるスキル

 ARISE analyticsに入社してからは、PoCのPM業務や分析業務、システム開発業務などさまざまなプロジェクトに参加してきた。そんな田畑氏がキャリアトラックの中から選んだのが、「データアーキテクト」だった。

 データアーキテクトを選んだ理由について田畑氏は、「いずれのキャリアトラックもデータに関する強みは身につけることができますが、まずはエンジニアリングのスキルを伸ばしたいと思ったこと。次にWebアプリケーションの知見を生かしつつ、これまでとは異なる技術領域であるデータ基盤構築にチャレンジしたいと思ったこと。これらの理由によりデータアーキテクトを選択しました」と語る。

 田畑氏の言葉からもわかるように、データアーキテクトのメイン業務はデータ分析における基盤構築である。またソリューションエンジニアによるデータソリューションの開発や、AIエンジニアによるモデル開発とその活用を可能にする基盤構築にも携わる。

 例えば分析基盤であれば、KDDIの分析担当者やARISE analyticsのデータコンサルタントから、どういうデータが欲しいのか、どういう形で利用したいのかなどのユースケースをヒアリングしながら構築していくという。

 「データアーキテクトが普段使用する技術は、AWSなどのクラウドインフラが中心。また大量のデータの処理にはApache Sparkを使うことが多い。まずはそういう技術スタックを含め、基盤構築に関する一連の知見、つまりステークホルダーを意識しつつユースケースを定義した上でシステム構成を検討し、運用まで見据えた上で構築するという能力が求められます。もう一つはデータに関する知見です。分析や機械学習のデータ活用のユースケースを理解した上で、データ収集・加工・蓄積・活用という一連の処理のあるべき姿を考えて、構築する能力も必要になります」

社内初のGCPを採用したプロジェクトでリードを務める

 現在、田畑氏がリードとして携わっているのが、GCPを使ったアクセスログの集約・分析用基盤の構築プロジェクト。「実は当社がGCPを使ってデータ基盤を構築するのは、初めてのことでした。かなりチャレンジングなプロジェクトですが、良い経験になりました」

 ゼロから基盤を構築するため、要件定義から設計、構築、テストという開発の一連の流れを経験できただけではない。KDDIが取り扱っているデータは個人情報などが含まれるため、高いセキュリティ要件が求められる。田畑氏はGoogleが実装したゼロトラストモデル「BeyondCorp」やGoogle Cloud リソースを安全に運用するマネージドネットワーク機能「VPC Service Controls」などのGoogle Cloudが提供する最新のセキュリティ関連サービスを活用して、その高いセキュリティ要件を満たしていくことに挑戦したという。

 また、データ基盤を構築するプロセスでは、これまでのWebアプリケーション開発で学んできたTerraformを使ったIaC(Infrastructure as Code)化や、開発効率の向上のためのCI/CDの導入などの技術を横展開ができたことも良い経験になったという。

 このほかにも「Webエンジニアの経験が生きている」と感じることがあった。例えばTerraformやApache Airflowなど、コードで管理するツールを活用していることから、Webアプリケーション開発時代に学んだ可読性やメンテナンス性の高いコードを書くというスキルが生きている。

 活用する技術は異なるが、データアーキテクトへの転身については特にとまどいはなかったという。新しい技術を学ぶという意味では、Webエンジニアと変わりがないからだ。動画教材を使って技術の概要をざっくりと把握した上で、実際に使ってみるというのが、田畑氏の勉強法。以前から動画学習の教材としてUdemyを活用していた田畑氏。ARISE analyticsではUdemyの法人向けプラン「Udemy Business」を導入し、動画教材が自由に受講できるようになっており、スキルアップに非常に役立っているという。

 「もちろん、わからないことが出てくれば公式ドキュメントで調べたり、書籍を読んだり資格の勉強をしたりなどを並行して行います。こうすると効率よくキャッチアップできると思います」

ワーキンググループ活動やギルド活動は向上心の表れ

 キャッチアップがうまくいったのは、田畑氏の向学心もさることながら、周囲に頼れるメンバーがいることも大きかった。田畑氏は「困った時に助けを求めたら必ず答えをもってるような頼れる方もいるので、不安なく仕事ができます」と笑みを浮かべる。そんな向学心溢れる田畑氏がそう語るぐらい優秀な人の多いARISE analytics。ワーキンググループ活動とギルド活動という2種類の活動が積極的に行われていることも、それを証明している。

 ワーキンググループ活動には、組織力を向上させる目的があり、ギルド活動には、個人のスキルを向上させる目的がある。田畑氏はいずれの活動にも積極的に参加。

 例えば、田畑氏が参加しているオンボーディングワーキンググループでは、新入社員や新規着任者のオンボーディングに関わる工数およびそれに関わる上司の負担を減らすことを目的とした活動を行っている。「例えばPySparkやAWS、シェルスクリプトなど、ARISE analyticsで一般的に使っている技術をスムーズにキャッチアップするための学習教材を作成しています。PySparkの教材はリリースから約1年経つのですが、累計80人ぐらいに使ってもらっています」

 一方のギルド活動は、モバイルアプリギルドとDevOpsギルドに参加している。業務で忙しいながらも、2つのギルドに所属する理由をたずねると、「普段、業務では使わない技術に触れる機会になること。そしてもう一つはプロジェクト外で同じようなキャリアのイメージを持っている人と、関わることができること」と明かす。

 モバイルアプリギルドでは、Flutterを活用したアプリ開発を行っているという。一方のDevOpsギルドは、DevOpsにまつわるスキルやツールの使い方を学ぶ活動である。いずれの活動も個人のスキル向上が目的だが、「組織への貢献も期待されている」と田畑氏は言う。

 例えば前者のモバイルアプリギルドで作っているアプリは社内向けにリリースし、社員それぞれが持つスキルや経験などのプロフィール可視化に活用される予定となっている。後者のDevOpsギルドでは監視ツールのDatadogを容易に導入できるIaCツールや、最近ではChatOpsを用いて開発や運用をスムーズにできるようなプログラムを作成している。そしてDevOpsギルドで学んだ知識を実際のプロジェクトにも適用しているという。

お客さまに寄り添い最適なデータ基盤を提供できるアーキテクトに

 田畑氏はARISE analyticsでどんなキャリアを目指していくのか。

 「データを活用する大事さは分かってはいても、データを活用する文化が根付いている企業は、まだそれほど多くないと思います。そんな環境の中で私たちの業務はお客さまの課題を、データを使ってどう解決するかを考えていくこと。そういうデータ活用の勘所をお客さまに提示して課題解決に導くお手伝いができるのは、ARISE analyticsならではです。

 目指すのはお客さまに寄り添いながら最適なデータ基盤を提供できるようなアーキテクトになること。そのためには、まずは今任されているプロジェクトでお客さまに貢献すること。そしてまだ経験したことのない技術を触れるためにも、さまざまなプロジェクトに関わり幅広い経験を積んでいきたいですね」

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/16760 2022/11/28 12:00

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