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GG Voice & Actionに訊く──「当たり前」に潜むジェンダーギャップに気づき、身近なところから変えていくには?

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男性多数なら気にならないのに、女性を増やそうとするとモヤるのはなぜ?

──ジェンダーギャップ問題の根底には何があると思いますか?

 あくまで私の考えですが、ジェンダーギャップの問題はまず「知らないこと」が根底にあると考えています。それから「刷り込み」です。学校、メディア、家庭を通じて知らず知らず古いジェンダー観を教わることがあります。何かがおかしいのに「おかしい」と認識できないところからジェンダーギャップが起きていると思います。

 ジェンダーギャップやフェミニズムについて勉強していくと、自分の生きづらさと関係があったと気づく人もいます。近年ではSNSの発達で「同じ問題を抱えている人とつながれるようになって良かった」と思う人もいるようです。

──女性の比率を高めることの重要性はどんなところにありますか?

 あくまでも女性を優遇するのではなく、対等となるように(格差があるところを)引き上げることです。今の世の中、優秀な女性はたくさんいるのに、キャリアアップを阻まれて活躍できていない状態の人もいます。職場に女性が増えれば女性にとって働きやすい環境になりますし、キャリアアップできれば女性の貧困の解消にもつながります。女性の経済力が高まれば、男性は従来の「大黒柱でいなければ」といった圧力から解放されて、男性の生きづらさの解消にもつながると思います。

 また以前、NASAでは史上初の女性宇宙飛行士のみによる船外活動が行われる予定でしたが、男性サイズの宇宙服しかそろえておらず(女性に適切なサイズの宇宙服が一着しかなかったため)、中止を余儀なくされた事例もありましたよね。多様な人材がいれば多様な視点を持つことができます。世界の人口はおよそ男女半々ですので、職場もそれに近づけられるといいのではと思います。

──女性比率を高めることに違和感を覚える人も少なくないように感じます。

 アメリカの最高裁判事で、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんという方がいました。「最高裁判所に何人の女性判事がいれば十分か」との質問に「9人(全員)」と答えたそうです。ここで多くの人が驚くのですが「9人全員が男性だったときは誰も驚かなかったでしょう」と。この逸話から気づかされることは多いと思います。

──当たり前と思う中にいろんな刷り込みがあるんですね。

 私の世代では、小学校あたりから「女の子は文系に進むものだ」とか、「ゲーム開発は男の子だ」とか、無意識に思うようになりました。興味を持って進んだ先が男性ばかりで萎縮してしまう女性もいるので、あえて女性枠を作り、支えてあげることも大事かなと思います。

──ジェンダーギャップを改善するために、どんなことができると思いますか?

 ポジティブ・アクション=一定の範囲で不利益を被っている層にチャンスを与えるという考えがあります。例えば、同じスキルレベルで男性と女性がいたとしたら積極的に女性を採用するなど、積極的格差是正とも言われますが、そういったアクションが必要だと考えています。

 あとはどんなことでも、疑問を持つところから始めるのもいいかもしれません。「なぜイベントの登壇者に男性が多いのだろう」と疑問を持ってみて、「女性も入れてみませんか?」と掛け合ってみるなど、シンプルなところから行動に移してくれる人がいると心強いです。ジェンダーギャップの解消にはマジョリティの理解や協力が不可欠なので、マジョリティ側が率先して動いてくれるととても頼もしいです。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鍋島 英莉(編集部)(ナベシマ エリ)

2019年に翔泳社へ中途入社し、CodeZine編集部に配属。同志社大学文学部文化史学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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