グループワークを通じてジェンダーギャップを知り、行動を考える
──これまでのキャリアも含め、まずは自己紹介をお願いします。
宮内あかりです。元々はイラストとデザインを専門学校で学び、卒業後はデザインや印刷関係の仕事をしていました。2020年7月にIT企業に転職し、現在は「GG Voice & Action」という団体の代表をしています。「sister」というテック業界の女性向け相談支援プラットフォームの立ち上げや運営にもプロボノとして携わっていました。
専門学校時代からパソコンを触るのが好きで、Webデザインの授業でコーディングもしていたので、自分はIT業界に向いていると感じていました。デザインのスキルを活かしながら、ITの力で誰かの困りごとを解消できるようになりたいと思い、IT企業に転職しました。
開発したくて入社したはずでしたが、正直なところあまりできませんでした。常駐先にはパソコンやスマートフォンが得意でない社員が多かったので、ヘルプデスクをしたり、情報セキュリティ監査に立ち会ったりする仕事をしました。
宮内あかりさん
2015年からデザイン関係の仕事を中心に活動していたが、2020年7月にIT企業に転職。
現在は、ジェンダーギャップ解消の推進と女性の支援・応援をする任意団体「GG Voice & Action」の代表をしながら、bgrass株式会社でプロボノをしている。
同社が運営するテック業界の女性向け相談支援プラットフォーム『sister』の立ち上げと運営を担当した。
他にも、Zennで記事を書いたり各種イベントで登壇をしたりと、幅広く活動中。
──GG Voice & Actionを立ち上げたのはどういうきっかけだったんですか。
NPO法人のボランティアで、起業家精神について学ぶグループワークのテストプレイヤーをしたのがきっかけです。グループワークのテストプレイヤーが終わった頃、NPO法人から「今度はこれのジェンダーギャップ版を作りたい」というお声をいただき、興味を持ったメンバーでグループワークを作成することにしました。
昔から「ここはおかしい」と思ったら、声を上げる性格です。例えば、学校で誰かが「疲れた」と発言し、先生が「みんな疲れているからがまんしなさい」と言ったとします。私は周囲を見て「みんな疲れているようなら休んだほうがいいのでは」と考えます。「誰もやらないなら自分が」とリーダー的な立場になることが多かったと思います。NPO法人からお話をいただいたときも、「自分がやらねば」と思い、進んでチームを作りました。
──GG Voice & Actionの活動内容や理念について教えてください。
4回構成のグループワークが核となっています。1回目はジェンダーギャップの基礎、2回目はジェンダーロール、3回目がアンコンシャスバイアス、4回目はそれまで学んだことからジェンダーギャップ解消のためにできることを考えて発表します。日常や過去に抱えたモヤモヤを作成して発表するワークや、おすすめの本や映画を紹介することもあります。
理念としては、「身近に感じてもらうこと」を何よりも大切にしています。ジェンダーギャップについて「なんだか難しそうだ」と敬遠する人もいるので、そうした層にアプローチできるようにコンテンツを"分かりやすく親しみやすく"することを大事にしています。また、参加者主体を重視しているので、私たちは「講師」というよりは参加者の「サポート」を意識することや、活動を通して自分たちも学んでいくことをベースにしています。
──どんな方がGG Voice & Actionに参加されてますか?
年代や職業関係なく、学生から社会人まで幅広く参加されています。回により顔ぶれが全く異なるのも特徴ですね。同年代が集まって盛り上がる時もあれば、異なる世代の意見を聞いて「視野が広がった」と感想をいただくこともあります。毎回のグループワークは1時間半ですが、「充実して楽しかった」と喜んでもらえているので、本当にありがたいです。