8割超の企業、デジタル企業として優位性を確保できていない現状が明らかに

　アイティクラウドは、同社の運営するビジネス向けソフトウェアとクラウドサービスのレビュープラットフォーム「ITreview」が、新たにIT製品・SaaSの導入を検討している企業の経営者・役員を対象に実施した、「DX推進に関する実態調査2022」の結果を11月2日に発表した。同調査は、9月27日～28日の期間に行われ、101名から有効回答を得ている。

　調査対象者に、勤務先の企業におけるDXの推進状況を尋ねたところ、「デジタル企業として優位性を確立できている状態」という回答は14.9％に留まり、十分にデジタル化が進んでいると捉えている企業はまだ少ないことが明らかになった。「全社戦略に基づいて部門横断的に推進している状態」（18.8％）と「全社戦略に基づいて持続的に推進している状態」（19.8％）を合わせても持続的に取り組めている企業は少なく、「具体的なアクションは行っていない状態」（12.8％）を合わせた85.1％の企業が、“デジタル企業として優位性を確保できていない”状態であるといえる。

　過去にSaaS製品の導入に失敗したと思う経験があるかを尋ねた質問では、「何度もある」（29.8％）と「1～2回程度ある」（37.6％）を合わせた67.4％の経営者が、失敗経験があると答えている。

　過去にSaaS製品の導入に失敗したと思う経験が「何度もある」または「1～2回程度ある」と回答した人に、導入失敗として考えられる要因について、当てはまるものをすべて選んでもらったところ（複数回答）、「営業を受ける中で期待値が上がりすぎた」（50.0％）、「コストについて試算ができていなかった」（48.5％）、「運用ルールが定まっていなかった」（47.1％）が上位を占めた。

　そのほか、SaaS製品の導入に失敗した要因を自由に答えてもらった質問では、「課題の解決に至らなかった」「全社的な運用が想定できてなかった」といった回答が寄せられている。

　同じく、過去にSaaS製品の導入に失敗したと思う経験が「何度もある」または「1～2回程度ある」と回答した人に、導入に関して失敗と判断するまでに、どのくらい時間がかかったかを尋ねたところ、「1か月未満」が4.4％、「1か月間～3か月未満」が19.1％、「3か月～半年未満」が39.7％となり、「半年未満」が63.2％を占めた。

　勤務先で、新しいIT製品・SaaS選びにおいてどのような悩みがあるか、当てはまるものをすべて選んでもらった質問（複数回答）では、「製品が自社に合うかがわからない」（51.5％）がもっとも多く、以下「自社に合う選択軸がわからない」（43.6％）、「製品の正しい評価が把握できない」（40.6％）が続いている。

　そのほか、勤務先での新しいIT製品・SaaS選びにおける悩みについて、自由に答えてもらったところ、「コスト面でどれくらいメリットがあるかよくわからない」「試用期間だけでは正しい評価が難しい」といった回答が寄せられた。

　今後、SaaS選びに失敗しないために、導入時にはどの情報を決め手にするか、当てはまるものをすべて選んでもらった質問（複数回答）では、「機能」（58.4％）、「導入企業の声（利用者）」（53.5％）、「料金」（50.5％）が上位を占めている。

　そのほか、SaaS選びに失敗しないためにほしい情報を自由に挙げてもらったところ、「既存のクラウドサービスとのわかりやすい比較」「実績導入例」といった回答が寄せられた。